夢で良かった…。悪夢が私たちの心にもたらす「重要な役割」

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以前掲載の「現役精神科医が『悪夢は脳を健康にする』と言い切るエビデンス」では、「悪夢の有用性」についてレクチャーしてくださった精神科医のゆうきゆうさん。今回ゆうきさんは無料メルマガ『セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術』の中で、そんな悪夢が持つもう一つの重要な役割を専門家目線で紹介するとともに、普段の生活でうまくいかないことは決して「損」ではないという理由を記しています。

心を健康にする「逆保証夢」とは? 失敗を糧に成功する考え方

こんにちは、ゆうきゆうです。先日、悪夢についてお話しました。

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疲労の本質は「脳の疲労」であり、そして脳の疲労は「退屈」によって起こります。同じことをずっとやったりして新しい刺激がないと、脳は疲労してしまうのですね。

そして悪夢は強い刺激があるため、脳をリセットする効果があります。悪夢と聞くと悪いものに思えますが、実は悪夢を見ることには大切な意味があるのですね。

そして今回、実は悪夢が持っている、もう一つの重要な役割をご紹介しましょう。

悪夢が持っているもう一つの役割とは

心理学には「逆保証夢」というものがあります。逆は「逆さ・反対」の意味、保証は、ものごとに対してに責任を持つことですね。

逆保証夢というのはネガティブな内容で、目覚めたときに「現実は素晴らしいものだ」と再認識させてくれる夢を指します。

悪夢を見たとき、誰しも目覚めて「ああ、夢でよかった」と思いますよね。

このように良い効果をもたらしてくれるのが「逆保証夢」だと言われています。個人的に、この考え方は非常に面白いと考えています。

人は、もともと何も感じていなかったものでも、ネガティブなものと比較するとポジティブ・良いものに見えてきます。つまり、「落差」に反応するようになっているのです。

例えば、テストでずっと10点を取っていた人が突然3点をとってしまったとします。するとその人はつらい気持ちになるでしょう。そして、次のテストのときにまた10点をとれば、「ああ、よかった!」と幸せな気持ちになるはずですね。

もし、この人がずっと10点しか取り続けていなかったとしたら、「よかった」と感じる瞬間はなかったでしょう。

結局人間は「心外」と心外による「逆転」。このドラマの繰り返しによって生きているのではないでしょうか。

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