国もマスコミも放置。40代こそが恐れるべきコロナの後遺症のこと

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新型コロナウイルス感染後の後遺症に苦しむ事例は、10代や20代の若い世代の経験が取り上げられることがほとんどです。しかし、アメリカの調査データでは、最も後遺症に苦しんでいるのは40代で、中には認知機能が低下するという恐ろしい後遺症に襲われている人もいるようです。こうした後遺症に関わる問題を伝えるのは、メルマガ『8人ばなし』著者の山崎勝義さん。山崎さんは、検査で陰性になってしまえば治療費も自費になり、国からの救済もなくなる現状を憂慮。傷ついた産業を救うのと同様に傷ついた個人を助けるのも政府の義務と訴えています。

後遺症のこと

最近のコロナ関連の報道を見ていると何だか若者だけが不当に悪者扱いされているような気がしてならない。その内容は、例えばコロナ感染症自体は軽症ですんだもののその後の後遺症に苦しむ20代の若者を取り上げ「こうなりたくなければ羽目を外さず注意しろ」と散々に脅し上げるような感じのものが多い。まあ遣り口はともかく、これで自分の壮健さを過信するようなことが多少なりともなくなればこれに越したことはない。

ただ、上記のような注意喚起には一つ重大な欠陥がある。それは30代40代50代の者にはさほど響かないというところである。COVID-19の本当の恐ろしさは実はこの後遺症にあると言っていい。感染爆発が社会もろともに人間を攻撃してくるのに対し、後遺症は飽くまでその人個人を苦しめ続けるものである。それが個人戦である以上、社会の助けはあまり期待できない。実際、コロナウイルス陰性が確定してからの種々の後遺症治療費は自己負担である。

さて問題は、COVID-19後遺症に苦しむ人の平均年齢である。日本では若い人ほど多く、重いような印象操作がなされているが、アメリカのデータによれば実は44才である。平均年齢44才と聞けば直感的に一番ヤバそうなのは40才から50才くらいである。ちょうど働き盛り、分別盛りの年齢である。この年代に属す人に対して今の若者と同じくらいの警鐘が鳴らされているか甚だ疑問である。少なくともデータ上で言うと、一番恐れるべきは中年なのである。

その後遺症について改めて驚かされるのはその多様性である。ざっと数えただけでも優に100は超えている。この事実はSARS、MERSが飽くまで「Respiratory Syndrome」つまりは呼吸器症候群であったのに対し、COVID-19が全身症状をもたらす感染症であるということを雄弁に物語っている。COVID-19においては呼吸器症状は代表的症状の一つに過ぎないということである。

中でも特に目を引くのが認知機能の低下である。実際にその後遺症に苦しむ人の言葉だが「ウイルスに感染して頭が悪くなるなんてこんな恐いことはない」まさにその通りであろう。自分もかつて薬の副作用で一時的に認知機能が低下したことがあるが、その時の恐怖は実に名状しがたいものであった。医者から「一時的」と念を押されていてもあの恐怖である。「あれが慢性的に、あるいは永遠に続けば…」そう思うだけで背筋が凍る。

そういった症状を訴える患者の脳の画像を解析してみると、記憶や集中を司る脳の領域に軽度の炎症が長期に亘って続いていることが分かったというから、このウイルスが容易に脳にまで侵入してくるという証左であろう。特殊な関門を有している脳ですらこうなのだから、その他の全身の器官に関しては言うまでもない。それが先に述べた100を超える後遺症群につながるのである。

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