稲盛和夫氏や山中伸弥教授も。書籍版がベストセラー化、致知出版社の「無料メルマガ」に大物財界人や文化人が続々登場する仕掛けとは?

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2006年から15年近くにわたって配信を続けている無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』。毎回、日本の財界人からノーベル賞受賞者、国民的スポーツ選手、有名料理人など多くの著名人のインタビュー記事の一部と、読むたびに心を動かされる印象的な言葉や名言を紹介しているメルマガです。この度、過去に配信されたメルマガの名言などをまとめた書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』を刊行された致知出版社さんに、なぜこれだけ多くの重鎮や有名人にご登場いただけるのか、そして長年メルマガを続けられる秘訣など、同社書籍編集部の小森俊司さんにお話を伺いました。

月刊誌『致知』は43年も前から続く老舗雑誌

──まずは、致知出版社さんについて簡単にご紹介をいただけますでしょうか。

致知出版社・小森俊司さん(以下、小森):弊社は“人間学”をテーマにした月刊誌『致知』、ならびに書籍を発刊する出版社です。主力商品は何と言っても、約11万人の定期購読者を持つ『致知』です。

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月刊『致知』表紙。山中伸弥教授や稲盛和夫氏など、毎号著名人の貴重な言葉が並ぶ

ただ、“人間学”と聞かれても、皆さんにはあまりピンとこないかもしれません。人間学とは、人はいかに生きるべきかを問う“人間性を高めるための学び”のことですね。そんなテーマを1978(昭和53)年の『致知』創刊から今日まで、実に43年間にわたり、出版活動を通じて追究してきました。

弊社で発刊される書籍も、扱うテーマをこの“人間学”という一点に絞り込み、人生に仕事に一所懸命に生きる人たちの心の糧になる雑誌(本)を創ろう、という創刊からの変わらぬ思いでやってきています。

発刊わずか2ヶ月で18万部を突破した著名人の言葉集

──ありがとうございます。そして、このたびは『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(藤尾秀昭・監修、致知出版社刊)の出版おめでとうございます。この本を出版するに至った思い、経緯などを教えていただけますでしょうか。 

小森:その前に、本書『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』の発刊には、まぐまぐさんの存在を抜きに語ることはできませんので、経緯を簡単にお話しさせていただきます。私が入社したのは17年前の2004年のことですが、当時の弊社では、クチコミによるPR活動がメインで、ネットを活用したPR活動はまだほとんどできていない状況でした。

私は学生時代に、まぐまぐさんで個人のメルマガを数年間配信していた経験がありましたので、そのノウハウを生かして、『致知』の読みどころの一部をメールマガジンとして配信すれば、いままで『致知』の存在を知らなかった方へもアプローチができ、読者層が必ず広がるはずだという確信がありました。

第1号の配信が2006年の5月ですから、ずいぶんと昔の話になりますね。『致知』の記事をベースに、人間力・仕事力アップに役立てていただきたいという思いでスタートした『致知出版社の「人間力メルマガ」』ですが、このメルマガの編集長も、はや四代目になりました。

今回出版した『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』には、この「人間力メルマガ」で過去に配信した内容をそのまま収録したものが多数あります。定期購読誌で、書店では手に取ることのできない『致知』の内容を、1ページ分で読み切れるように抜粋し、かつ心が熱くなるような感動的な話と出会える。本書の発想の源になっているのは、間違いなく、まぐまぐさんで配信し続けてきたメルマガであり、そうした意味でもまぐまぐさんには深く感謝しています。そして、メルマガの発行を長く続けてきて本当によかったと感じています。

本書が発刊されたのは2020年11月30日ですが、おかげさまで非常に反響が大きく、発売から2ヶ月で18万部を突破するベストセラーになっています(2021年2月上旬現在)。 

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1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書(致知出版社 刊)
日本が誇る超一流の方々の名言集、絶賛発売中

『致知』に大物著名人ばかり登場している理由

──わずか2ヶ月で18万部は凄いですね、弊社も自分たちのことのように嬉しいです。ところで、なぜ月刊『致知』は稲盛和夫さんや山中伸弥教授など、毎号ここまで大物の財界人や著名人の方にご登場いただけるのでしょうか?

小森:いろいろな要因が考えられると思いますが、私自身が感じることの一つは、「創刊の理念が一切ブレていないこと」ではないかと思います。先ほども少し触れましたが、『致知』の創刊理念は「いつの時代にも人生にも仕事にも真剣に生きている人はいる。そういう人たちの心の糧になる雑誌を創ろう」です。この理念は1978年の創刊当初からまるで変わることはありません。

40年以上の長きにわたり、愚直にその理念を貫き続けてきた一企業としての、また一出版社としての一貫した姿勢に理解、共感を示してくださる方がいて、その支持を得てこられたことは非常に大きいと思います。

また、単にマスコミによく出ている方だから、著名人だからという理由では、登場者の人選はおこなっておりません。有名無名を問わず、さまざまな世界において、強く生きた人、深く生きた人、やさしく生きた人、そういう人たちの生き方、そこから学ぶべき「人間学」を追究してきたのが『致知』であり、これからも変わることのない『致知』の行き方です。

もっとも印象に残った著名人の言葉

──ご登場いただいた方で、今まで一番印象に残った方とその言葉がありましたら教えてください。

小森:一つに絞るのが非常に難しいのですが、一つの道を極めた人たちは、表現は違えど、みな同じ意味のことをおっしゃっているように思います。その共通項は何かを考えながら本書を読み進めていただくのも面白いでしょうし、また、読み進めていくうちに、自ずと共通項が見えてくるかもしれません。本書には、例えば次のような言葉が連なっています。

「やらされている百発より、やる気の一発」
中村豪(イチローの恩師・愛知工業大学名電高等学校硬式野球部元監督)

「修業時代、いつも僕は思っていた。『人の二倍は働こう』『人が三年かかって覚える仕事を一年で身につけよう』ってね」
道場六三郎(銀座ろくさん亭主人)

「教えてもらったことというのは忘れるんですよね。自分が盗んだものは忘れない」
小野二郎(すきやばし次郎主人)

「最近の若い人はよく、『教えてくれないからできない』なんて言うけれども、そういう人間は教えたってダメですよ」
一龍斎貞水(講談師・人間国宝)

──今回の記事を呼んで、この書籍に興味を持った方へ何か一言いただけますでしょうか。

小森:本書のキャッチコピーとして当初考えたのは、こんな言葉でした。

「最近、感動したことはありますか?」。

1日1話、読めば心が熱くなる』という書名のとおり、1人1ページながら、いずれの話にも熱いドラマがあり、心からの感動があります。

1月1日から順に、あるいは本書を手に取ったその日から1日1話ずつ読み進めるのもよし、稲盛和夫氏、柳井正氏、永守重信氏、山中伸弥氏、平尾誠二氏、羽生善治氏、フジコ・ヘミング氏……など、気になる人物のページを開いてその言葉を噛み締めるもよし、「嫌いな上司を好きになる方法」「ストレスに負けない生き方」「幸運の女神が微笑む人の条件」「人を叱る3つのコツ」「ヒット商品を生み出す秘訣」など、目に留まった見出しのページを拾い読むのもよし、1話2、3分もあれば読み切れる分量ですので、毎朝出勤される前や、就寝前など、ご自身の生活の中に、ぜひルーティンとして組み込んでいただければ嬉しく思います。

日々のモチベーションアップに繋がるに違いありません。仕事力アップを目指す人には「仕事の教科書」となり、人間力アップをめざす人には、またとない「人生の教科書」となることでしょう。

おかげさまで、読者の方からも「この本は凄いです。ケタはずれです。併行して読んでいた本のすべてを中断してこの1冊を読みふけっています」「生き方を変えてくれる本にやっと出会えた。体の芯から温めてくれる」「これだけの内容、ボリュームにしては2,350円は安すぎで、その倍しても買っていたと思う。一話一話、読む前より期待感が高まり、その都度、読後は充実感と処世訓を得た満足感で一杯」……などなど、こちらの胸まで熱くなるような反響がたくさん寄せられています。

メルマガを15年もの長きにわたって続けてくることが出来た秘訣

──無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』を続けられてもうすぐ15年になります。メルマガをこれだけの長い期間続けることができた秘訣、メルマガをやっていてよかったことなどありましたら教えてください。

小森:続けることができた理由は、やはり「反応率の高さ」だと思います。弊社ではいま、ほとんどのSNSツールをフル活用していますが、メルマガほどに反応率(クリック率や購入率)がよい媒体をほかに知りません。

これはメルマガの性質にもよるのかもしれませんが、弊社のメルマガには、読者の方からの感想やメッセージなどが届くことはほとんどありません。しかし、このメルマガを通じて『致知』の定期購読を始めてくださったり、新刊書籍を購入してくださる方が、非常に多くいらっしゃいます。特に新刊の発売時には、メルマガでの告知なしに、ネットでの販促は考えられないと言えるほど、必要不可欠なツールとなっています。

また、単に雑誌の講読をしていただきたい、新刊を手にしていただきたい、という思いだけではなく、毎朝、このメルマガを読まれた方が、「よし、今日も一日、がんばろう!」という気持ちになったり、感動で胸が熱くなるような内容をお届けしたいという気持ちで配信を続けてきました。自分たちが心から感動した記事や書籍の内容をぜひ多くの方に知っていただき、その感動を共有したい、それが配信のモチベーションにも繋がってきたのだと思います。

──その『致知出版社の「人間力メルマガ」』に興味を持った方々へ、何か一言いただけますでしょうか。

小森:「人間力メルマガ」は先ほども申し上げたとおり、約15年間も続けてきたメルマガですが、扱っている“人間学”というテーマは、時代によって情報の価値が古くなったり、下がったするものではなく、その人の心の層に、日々確実に積み重なっていくものであると思います。よき言葉との出会いがよき人生をつくっていくといわれるように、人間力メルマガでよき言葉と出会い、日々の生活をよりよいものにしていっていただけたらと心から願っています。

──引き続き、MAG2NEWSでもメルマガの内容をご紹介させていただきたいと思っております。この度は、お時間をいただきありがとうございました。

cc20201202-s1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書
(致知出版社 刊)
致知出版社の「人間力メルマガ」』が一冊の本になりました。
日本が誇る超一流の方々の名言集、好評発売中!

image by: MAG2NEWS編集部

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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