東京五輪組織委の新会長に橋本氏 「大会成功に尽力」―女性蔑視発言の森氏後任

2021.02.18
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by 時事通信


東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長に就任し、記者会見する橋本聖子氏=18日午後、東京都中央区(代表撮影)

東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長に就任し、記者会見する橋本聖子氏=18日午後、東京都中央区(代表撮影)

  • 【図解】橋本聖子新会長の横顔

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は18日、新会長に橋本聖子氏(56)を選出した。女性蔑視発言の責任を取って12日に辞任した森喜朗前会長の後任。今夏の大会まで残り約5カ月。開催自体が危ぶまれ、新型コロナウイルス対策など課題が山積する中での就任となる。橋本氏は選出に先立ち、菅義偉首相に五輪担当相の辞表を提出し受理された。
 組織委は候補者検討委員会が橋本氏に一本化したことを受け、理事会を開いて新会長候補とすることを決めた。その後、まず評議員会で理事に選任し、理事会での互選で新会長に選出した。
 橋本氏は選出後に「大臣を辞職するということは私にとって大きな決意。その思いをしっかりと胸に抱いて東京大会の成功に尽力したい」と抱負を述べた。記者会見では、参院議員は辞めない意向を示した。
 橋本氏は五輪に冬夏合わせて7度出場し、1992年アルベールビル五輪スピードスケート女子1500メートルで銅メダルを獲得した。95年の参議院選挙で初当選し、現在5期目。2019年から五輪担当相を務めていた。
 組織委は12日の臨時会合で候補者検討委設置を決め、座長に御手洗冨士夫名誉会長が就いた。荒木田裕子国際オリンピック委員会(IOC)プログラム委員、山下泰裕日本オリンピック委員会(JOC)会長ら男女各4人で構成。
 16日の初会合で、新会長に求められる資質として五輪・パラリンピックへの造詣、男女平等や多様性の実現、国際感覚など五つの観点を取りまとめた。計3度の非公開会合で協議し、橋本氏が適任とした。
 会長人事をめぐっては、森氏が辞任前の11日に日本サッカー協会相談役の川淵三郎氏に後任を打診。川淵氏は就任に前向きな姿勢だったが、首相官邸が難色を示し、川淵氏が12日に辞退した。この一連の動きが密室人事と批判された。
 ◇橋本聖子氏の略歴
 橋本 聖子(はしもと・せいこ)北海道・駒大苫小牧高出。92年アルベールビル五輪スピードスケート女子1500メートルで銅メダル。冬季は4度、夏季は自転車で3度の五輪に出場。計7度の出場は日本女子で最多。日本スケート連盟、日本自転車競技連盟会長などを歴任し、10年バンクーバー、14年ソチ両冬季五輪、16年リオデジャネイロ夏季五輪で選手団長。95年から参院議員、19年から五輪担当相を務めた。56歳。北海道出身。(2021/02/18-19:55)

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