若き日のユニクロ柳井氏のもとから、すべての社員が去っていった訳

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コロナ禍にあってもその感染拡大前と同水準の純利益を確保するなど、好調さを維持し続けるファーストリテイリング。そんな同社を率る柳井正氏ですが、過去に2度、大きな転機を得たと言います。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では柳井氏本人が、サッカー元日本代表監督の岡田武史氏との対談の中で、その転機について語っています。

ユニクロはなぜ世界のユニクロになったのか 柳井正×岡田武史

長引くコロナ禍が社会の活力を多方面で奪う中、光を放ち続けている組織があります。カジュアル衣料のユニクロを擁するファーストリテイリングとサッカーの地方リーグからJ3昇格を果たしたFC今治です。

そのトップを務める柳井正さんと岡田武史さんに、組織発展、人生発展の要諦を語り合っていただきました。


柳井 「僕は、大学を卒業した頃は仕事に意義を見出せなくてブラブラ過ごしていました。地元の山口県で洋品店を経営していた父親が見かねて、四日市市にあったジャスコ(現・イオン)に行って修業してこいと言うので行ったんですけど、全然面白くなくて9か月で辞めました。

留学しようと思って、東京の友達のアパートに住まわせてもらってしばらく英会話学校に通っていたんです。けれども友達が一所懸命働いているのを見て、こんなことをやっている場合ではないと思って実家に戻って働き始めたんです」

岡田 「ご実家のご商売はいかがでしたか」

柳井 「最初は随分苦労しました。6、7人いた社員が一人残して全員辞めたこともあります。ジャスコにいた時のような近代経営をイメージして、何も知らない若造が机上の空論でああだこうだと指図を始めたので、社員にとってはいい迷惑だったと思います(笑)。

おかげで社長兼小間使いみたいな立場になって、商品のハタキがけから銀行との折衝まで、何でも自分でやらなければならなくなりました。しかし、結果的にそれが僕には一番勉強になりました。商売とは実践だということが初めて分かりましたからね。そこから仕事が面白くなっていったんです」

岡田 「商売は実践。本当にその通りです」

柳井 「もう一つ転機になったのが、37歳の時に読んだ本でした。その本には、経営とは本を最後のページから読むことだと書いてありました。自分は何をするかを決めて、それを実現するには何をすべきかを逆算して考えるのが経営だと。あ、経営ってそういうことなんだと分かってから、会社が大きく成長し始めたんです」

岡田 「本から学ばれたことが大きな転機になったのですね」

柳井 「本を読むことはすごく大事です。優れた先人はたくさんいますから、本を通じてその考え方を学ぶことです。僕ほど世界の経営者に話を聞きに行った人はいないと思いますよ。いま一番進んでいる経営者のところへ伺って、あなたはどのように経営をなさっているのですかと尋ね、その人の本を読む。それがすごく大事だと僕は思います」


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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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