「離れていても忘れない」 NZ地震10年で追悼式―日本人28人犠牲者
【シドニー時事】2011年にニュージーランド(NZ)で日本人28人を含む185人が死亡した大地震から丸10年を迎えた22日、被災地のクライストチャーチ市で追悼式が営まれた。ダルジール市長は式辞で日本の遺族に対し「離れていてもあなた方を忘れない」と語り掛けた。
式典は、犠牲者の名前を刻んだ慰霊碑が設置されている市中心部の追悼施設で開催。地震が発生した午後0時51分(日本時間午前8時51分)に合わせ、参列者らは1分間の黙とうをささげた。
NZは新型コロナウイルスの感染防止のために入国規制が敷かれており、市は現地に来られなかった遺族らのために式典の様子をライブ配信。収録したDVDも配布する方針だ。
式典では犠牲者185人全員の名前が読み上げられた。アーダーンNZ首相は「この都市にとって非常に困難な10年だった」と振り返った上で、「今後10年に目を向ければ希望が見える」と強調した。遺族の代表者が故人への気持ちを込めた詩を読んだ場面では、目頭を押さえる人の姿もあった。
地震では、語学学校が入居していたカンタベリーテレビ(CTV)のビルが倒壊。研修中だった日本人ら115人が犠牲となった。(2021/02/22-11:31)