ラブホ不倫の妻が逆ギレ別居。それでも夫が「慰謝料返上スピード離婚」を選んだワケ

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結婚当初は「一生添い遂げる」はずだったのに……。何らかの事情で関係が悪化した夫婦を待ち受けるのは「離婚」の二文字です。しかし、誰でも簡単に離婚が成立するとは限りません。もしも「離婚調停」の力を借りざるを得ない状況の場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。無料メルマガ『10年後に後悔しない最強の離婚交渉術』の発行者で、開業から6年で相談7,000件の実績を誇る行政書士の露木幸彦さんは、離婚調停で調停委員や裁判官に嫌われる典型的な夫「3タイプ」を紹介。3人の事例をもとに、モメることなく「離婚」を成立させるためのコツを伝授しています。

離婚調停で嫌われる「3つのタイプ」とは? 考えを改めて離婚を勝ち取る方法

「離婚調停」という四文字を聞いて、あなたはどんなシチュエーションを思い浮かべますか?テレビドラマや映画などで描かれることも多いので、離婚経験者でなくとも想像できるのではないでしょうか。

例えば、裁判所内という緊張感に満たされた空間。その一室は窓からの光は弱く、全体的に薄暗く、椅子に座らされた男性はうつむいている。目の前にいるのは喪服のようなスーツを着た白髪交じりで初老の男女。これが調停委員ですが、彼らの言葉に感情はなく、決まりきった言葉を男性に投げかけ、男性はかろうじて声を出し、なんとか会話が成り立つという感じ……。

「こんなところに身を置きたくない!」と大半の人は思うでしょう。

離婚調停とは家庭裁判所において調停委員や裁判官が夫婦の間に入り、解決の糸口を探る制度です。上記の男性も最初は調停を申し立てず、話し合いで解決したいと思っていたはずです。しかし、いかんせん離婚直前の夫婦です。お互いに信頼関係はなく、何を言っても疑われ、少しでも機嫌を損ねようものなら「馬鹿、ボケ、死ね!」と逆ギレされるような間柄。しかも、夫婦が同居しながら離婚の話を進めるケースは稀。ほとんどの場合、すでに別居しているので、離れて暮らし、ほとんどやり取りをせず、接点は生活費の授受のみというのが典型例となっています。つまり、相手方と会話が成り立たないから、仕方なく裁判所を頼ったというのが内情なのです。

このように考えると、調停委員の存在は極めて重要です。調停委員のさじ加減で有利にも不利にも転ぶのだから、調停委員の心象を良くするのが「成功の鍵」です。逆に「面倒臭い人」というレッテルを貼られるのは言語道断。調停委員にそっぽを向かれないようにするのは、どうしたら良いのでしょうか?

調停委員に嫌われる典型的なタイプは3つあります。ここでは、3人の夫の事例をもとに、「印象を悪くする3タイプ」を回避して、見事に「離婚」成立を勝ち取った夫のエピソードをご紹介いたします。

「夫婦の営み」がなくなって10年、別の男とラブホへ消えた妻が逆ギレ別居

まず1つ目は、相手のことを考えない「自己中なタイプ」です。調停委員は夫と妻、双方の意見を聞くので独りよがりな意見を述べても通用しないし、わがままだという印象を与えて、そのうち聞く耳を持たなくなります。どうしても別れたいのなら、なぜ相手と離婚した方がいいのか、その理由を付け加えることが大事です。相手から酷い仕打ちを受けたから「やられたらやり返す」と復讐心を燃やし、相手の欠点ばかり挙げるのはNGです。

藤井健太郎さん(仮名、37歳。年収600万円)はパートタイマーの妻(34歳。年収130万円)との間に夫婦の営みがなくなって10年以上。最近、妻がスマホをトイレに持っていく様子を見て、交友関係が怪しいと疑ったそうです。実際、興信所に妻の尾行を依頼すると、おそろいのダウンコートを着た男と駅改札で合流。コンビニで酒とつまみを購入するとラブホテルへと消えたのです。3時間後に出てきたのですが、ホテルの部屋で情事に及んでいたことは明らかでした。 

健太郎さんが「どういうことなんだ!」と問い詰めると、妻は「だから何なの?」と逆上し、実家へ戻ってしまったのです。健太郎さんは「お前が家庭を壊したんだろ?慰謝料を払うのが当然だし、さっさと離婚しようぜ」とLINEで投げかけたのですが、梨のつぶて。

すでに夫婦の形がないのに離婚を断るのはおかしい話ですが、「憎き夫の言いなりになりたくない」という一心で無視を続けるケースは珍しくありません。別居から10ヵ月が経過し、埒が明かないので健太郎さんは離婚調停を申し立てたのです。 

健太郎さんは1回目の調停前に、妻が無視している理由は「離婚したら慰謝料を払わなければならないから」「興信所の調査書がどうなるか分からないから」だと気付きました。そこで、健太郎さんは調停委員に「僕は妻の再出発を妨げるつもりはありません」と伝えたのです。そうすると調停委員は「自分の生活で汲々としているあなたが慰謝料を払うのは無理ですよね」「調査書をあなたの両親に見せたりはしませんよ」と言って、慰謝料の放棄と守秘義務の約束を条件として離婚に応じるよう妻を諭し、2回目の調停で離婚の同意を取り付けてくれたのです。

なお、健太郎さんには慰謝料を放棄してでも離婚を急がなければならない理由がありました。健太郎さんはネットで「生活費を払わないと調停で不利になる」という情報を見たので、別居2ヵ月目から妻に対して毎月7万円の婚姻費用(別居中の生活費)を振り込み続けてきました。離婚が半年後なら婚姻費用の合計は42万円、1年後なら84万円、2年後なら168万円と膨らんでいきます。もちろん、離婚すれば婚姻費用を支払う必要はないので、婚姻費用の支払いを停止するため、慰謝料の受領より早期の離婚を優先した格好です。

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