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国内ECの勢力図に変化。好調のヤフー・メルカリ・BASEと、伸び悩むアスクル・ZOZO。取扱高(GMV)成長率で見えた差とは?=シバタナオキ

コロナ禍の決算においてBASEやメルカリ、ヤフーが好調で、アスクルやZOZOが苦戦を強いられています。それは一体なぜなのでしょうか?横軸で比較し、その理由を探ります。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2021年1月23日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

Q. 【国内EC決算】コロナ禍においてBASE・メルカリ・ヤフーが好調で、アスクル・ZOZOが伸び悩む理由とは?

A. 各社が好調の理由は異なる。BASEは●●の急増、メルカリは●●市場の大幅成長、ヤフーは●●分野が●●の恩恵を受けたことが主な要因。
アスクル・ZOZOは、同じECの中でも、●●用品と●●という「コロナ禍で需要が●●する商材」をメインとしていたため、恩恵を受けにくかった。

今回の記事では、国内のEC関連企業の決算を横軸で比較することで、全体のトレンドや各社の傾向について分析していきます。

横軸で比較することで、1社単体の決算では分からない特異点が見えてきます。そのような特異点がなぜ発生しているのかを見ていくことで、各社のビジネス動向の理解を深めていきましょう。

今回は、ECにおいて最も重要なKPIである「GMV(取扱高)」に着目し、深堀りをしていきます。

取扱高(GMV)の前年同期比成長率は?

では、早速ですが横軸で比較をしていきましょう。

取扱高(GMV)そのものに関しては、会社間で大きな差があり比較が難しいため、今回は「GMVの前年同期比成長率」に着目していきます。

2021年1月10日現在で公開されている2020年7-9月の各社の決算説明資料より、GMVの前年同期比成長率を並べてみると、下図のようになります。

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「コロナ禍でECは成長した」と一般的に言われることも多いですが、その成長率は企業によって千差万別です。BASEの爆発的な成長の一方で、一桁成長に落ち着いたZOZOやアスクルのような企業もあります。

四半期の数字単体では時系列の傾向が掴みにくいため、直近2年間の「GMV前年同期比成長率」についても図示してみました。

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こちらを見ると、より詳細に各社の傾向が見えてきます。

そして、各社のトレンドを会社間で比較してみると、以下のような疑問が湧いてくるはずです。

・BASEが楽天やZホールディングス(ヤフー)に対して大きく成長した理由は?
・ヤフーが7-9月に高い成長率を維持できている理由は?
・アスクルやZOZOは何故成長率が伸び悩んでいるのか?
・メルカリの高い成長率の背景は?
・ロコンドが4-6月でマイナス成長となっている理由は?

次頁では、各社の決算説明資料を読み解いていくことで、このような疑問をひとつひとつ解決していきたいと思います。

Next: なぜBASEは、楽天・ヤフーよりも大きく成長したのか?

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