トランプ前大統領が「来る3月4日に2期目の大統領として復活する」というネット上に拡散する情報はにわかには信じがたい。なぜあからさまなフェイクニュースが人々の心を捉えるのか。米国のみならず、中国やロシアでも広く出回っている。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
中国やロシアでも出回るウワサ
何が起きても不思議ではない今日この頃ではある。
とはいえ、ホワイトハウスを明け渡し、フロリダ州の別荘に引きこもってはゴルフ三昧に明け暮れているはずのトランプ前大統領が、「来る3月4日に2期目の大統領として復活する」というネット上に拡散する情報はにわかには信じがたい。
しかし、このネット情報はアメリカに限らず、中国やロシアでも広く共有されている。
万が一、そうした事態になれば、どのような影響が各方面に及ぶのか。
3月上旬、ホワイトハウスや議会周辺には5,000人の州兵が配置される予定という。
トランプ前大統領の時代にアメリカとの対立が激化の一途をたどった中国とすれば、トランプ氏の復活は悪夢の再来に違いない。
ことの真偽を確かめるべく、中国政府は様々なルートを駆使して、情報収集に当たっているようだ。
なぜ3月4日?「ウワサ」を広めた黒幕とは
実は、この情報というよりはウワサに近いシナリオはトランプ氏の熱烈な支持者が集まっている「Qアノン」という過激派集団がTikTokなどで広めているものである。
彼らに言わせると、「悪魔に乗っ取られた民主党の陰謀で誕生したバイデン政権を覆すため、トランプ氏が復活する日が近い」とのこと。
なぜ、3月4日かというと、本来、新大統領の就任式は1933年まで、3月4日に執り行われていたからだ。
歴史を紐解けば、1933年はルーズベルト大統領が金本位制を廃止した年でもある。
そういえば、トランプ氏は大統領職にあった時、金本位制への復活を提唱していた。
そんな背景もあり、トランプ支持者の間では、「3月4日に歴史は改まる。真のアメリカの復活は、その日に始まる」との想いが広がっているようだ。
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