陰謀論と笑うなかれ。中国と国際金融資本の癒着を示す動かぬ証拠

shutterstock_1184492326
 

一部でかねてから囁かれてきた、中国共産党と国際金融資本、グローバリストとの癒着の存在。それは果たして、「荒唐無稽の陰謀論」と笑い飛ばして済む話なのでしょうか。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、さまざまな政財界の要人の発言を引きつつ、中共と彼らの癒着が事実であることを証明。さらに現在、その流れが大きく変わったことを表す証拠を明示し、「蜜月関係」が終焉に向かいつつあることを記しています。

国際金融資本と中国共産党の癒着は【陰謀論】か?

皆さん、「グローバリスト、国際金融資本は、中国と癒着していますよ」と聞いたら、どんな反応をしますか?普通の日本人だったら、「陰謀論だ!」「トンデモだ!」という反応でしょう。しかし、これ「陰謀論、トンデモ」ではありません。「陰謀論、トンデモみたいなホントの話」です。どういう話なのか、ざっくり流れを説明しましょう。

1970年代の初め、ニクソン大統領と毛沢東は、「対ソ連で共闘すること」で合意しました。だから、1970年代から、米中は「事実上の同盟国」だったのです。これをいっているのは、私ではなく、米中の橋渡しをしたキッシンジャー大統領補佐官(後、国務長官)です。

「対ソ連同盟」

アメリカと中国の関係は、基本的に良好なまま進んでいきました。しかし、80年代末から90年代初めにかけて、大きな2つの問題が起こります。1つは、89年の「天安門事件」です。軍隊がデモ参加者を大虐殺した。もう1つは、91年末の「ソ連崩壊」です。アメリカと中国は、「対ソ連」で同盟を組んでいた。ところが、共通の敵ソ連が消滅した。当然アメリカ国内では、「ソ連はもうない。では、なぜ我が国は、天安門事件を起こした人権蹂躙国家と仲良くしているのだ?」という疑問がでてきた。これで、米中関係が危機に陥ったのです。

中国政府は、急いでクリントン新政権内に親中派グループを組織。その代表的人物が、国際金融資本ゴールドマン・サックスの会長ルービンさんだった。彼は、後に財務長官になっています。形成された親中派グループは、クリントン政権の対中路線を180度ひっくり返すことに成功した。93年のこの出来事を、「クリントン・クーデター」といいます。

これも、なんだか「陰謀論ぽい話」ですね。しかし、この話をしているのは、アメリカ国防総省顧問のピルズベリーさんです。彼は、ニクソン、キッシンジャーの時代から対中政策に関わってきた人物で信用できます。米中関係の真実を知りたい方は、是非こちらをご一読ください。

● 『China2049

少なくとも300回は仰天することでしょう。

さて、「クリントン・クーデター」があった1993年、米中関係は、本質的に変化しました。それまでの米中関係は、「対ソ連同盟」だった。でも、ソ連が消えた。93年以降の米中関係は、【金儲け同盟】です。ルービンさんを含む国際金融資本は、「世界一の人口を持ちながら極貧生活を送っている」つまり「世界一の成長ポテンシャルを持つ」中国に投資して、大儲けすることにした。そして、彼らは実際に大儲けし、中国は世界一の成長をはたしました。

これも全日本人必読の書『目に見えぬ侵略、見えない手 副読本』には、こんな記述があります。

トランプ一家に極めて近い友人で大統領諮問会議のトップだったスティーブン・シュワルツマンは、CEOを務める投資家会社ブラックストーンを通じて中国に最強のコネを持ち、巨額の利益を得ていた。
(p52)

中国共産党幹部の子息を「太子党」と呼ぶが、ゴールドマン・サックスは彼ら彼女らを社員として入社させ、中国共産党から便宜を得ている。この「子息プログラム」は、JPモルガンやメリルリンチ、モルガンスタンレーなどの他の金融企業も取り入れている。
(p53)

というわけで、「グローバリスト、国際金融資本は、中国と癒着していますよ」というのは、「陰謀論みたいな、ホントの話」です。

print
いま読まれてます

  • 陰謀論と笑うなかれ。中国と国際金融資本の癒着を示す動かぬ証拠
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け