停滞していた風俗業界は2015年以降、突如として「金づる」に出会うことになった。インバウンド政策で中国人が大量にやってきて、日本国内で恐るべき「爆買い」をするようになっていったのだが、このインバウンドでやってきた中国人の一部の男性が、日本人女性をも「買う」ようになっていったのである。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。
女すら買えぬ日本人男性の困窮。風俗業界の主役は中国人
1990年代はバブル崩壊の時代だった。2000年代に入ってから小泉政権で構造改革が強引に行われ、どんどん若年層の非正規雇用化が進んでいった。こうした状況はより悪化するのだが、その理由は以下の記事に書いた。
この非正規雇用の拡大によって、風俗業界にも大きな影響が広がっていったのだが、その影響はその後の20年で以下のようなベクトルを生み出していた。
1. 若年層の男性が収入減で風俗に行けなくなった。
2. 若年層の女性が収入減で風俗に勤めるようになった。
3. 全体的に風俗客が減って風俗業界が縮小していった。
風俗業界は縮小しつつあると言っても約3兆円~5兆円規模であり、新聞業界(約1兆6,526億円)だとか、出版業界(約1兆5,432億円)だとか、化粧品業界(約2兆6,480億円)よりもずっと大きい。
しかし、性的に活発な若年層に金がなく、中高年は老いて性的な活動が停滞し、少子高齢化で人口も減り、アダルトビデオ等の代替業界が広がるようになった社会では風俗業界の停滞傾向は避けられない。
2008年のリーマンショックでも風俗業界は急激に停滞した。2009年から2012年の民主党政権で日本は政治的にも経済的にも混乱したが、風俗業界もまた一緒に萎縮していかざるを得なかった。
ところが、である。2015年以後から風俗業界は突如として「金づる」に出会うことになった。
インバウンド政策で中国人が大量にやってきて、日本国内で恐るべき「爆買い」をするようになっていったのだが、このインバウンドでやってきた中国人の一部の男性が、日本人女性をも「買う」ようになっていったのである。
インバウンドの前から日本女性はアダルトビデオで消費されていた
訪日中国人の推移を見ると、2014年は240万人規模だったのが、2015年から一気に499万人と2倍に跳ね上がっている。これはインバウンドを取り込みたい日本政府が2014年に訪日中国人に対してビザ発給要件を緩和したこともある。
LCC(格安航空会社)の就航も増え、元高・円安も続いたので、中国人たちは「日本」を買い漁ることが可能になったのである。
当初、日本のソープランドなどは「外国人禁止」だった。しかし、日本人を相手にしていても「じり貧になっていくばかり」なので、日本のソープランドの総本山である東京・吉原の店の中には、徐々に旺盛な中国人の「爆買い」需要を取り込もうと動き出す店もあった。
実は、この動きには伏線がある。中国人の男性の間では、インバウンドの前から日本女性は「アダルトビデオによって消費されていた」のだ。
日本政府は1983年から『留学生10万人計画』をぶち上げてどんどん中国人留学生を日本に流入させていたのだが、この中国人留学生が日本のアダルトビデオをどんどん中国に持ち帰っては売るという裏アルバイトをしていた。
日本のアダルトビデオは中国で非常に需要があって、日本人女性のセックスを多くの中国人男性が視聴して日本人女性に対する需要を喚起していた。そのため、日本のAV女優の少なからずは中国で凄まじい人気がある。