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ソフトバンクGは本当に好調か?日本史上最高「純利益3兆円」超えの背景、キャッシュフローの実態、KPIから見える今後の成長率とは=シバタナオキ

日本企業で過去最高の3兆円を超える当期利益を記録したソフトバンクグループの2021年3月期第3四半期累計(2020年4月‐12月)の決算を見ていきたいと思います。

携帯会社のソフトバンク株式会社の決算ではなく、その親会社であるソフトバンクグループの決算を取り上げているので、携帯電話業界の話ではなく、投資会社についての決算の考察となります。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2021年2月26日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

Q. 純利益が3兆円超えのソフトバンクグループは本当に絶好調なのか?

ヒント:S&P500と投資パフォーマンスを比較すると実情が見えてきます。

※S&P500は、スタンダード&プアーズ社が選出した米国の代表的な500社のインデックス。組入れ銘柄が多いので個別の銘柄の株価変動を受けにくく分散効果が高いのが特徴。

今回の記事では、日本企業で過去最高の3兆円を超える当期利益を記録したソフトバンクグループの2021年3月期第3四半期累計(2020年4月‐12月)の決算を見ていきたいと思います。

携帯会社のソフトバンク株式会社の決算ではなく、その親会社であるソフトバンクグループの決算を取り上げているので、携帯電話業界の話ではなく、投資会社についての決算の考察となります。
※参考・画像出典:ソフトバンクグループ株式会社 2021年3月期 第3四半期 決算説明会 プレゼンテーション資料(2021年2月8日)
※参考・画像出典:2021年3月期 第3四半期決算 投資家向け説明会(2021年2月10日)

「純利益3兆円超え」を強調した決算資料

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ソフトバンクグループの決算説明会は、決算発表の直後に孫社長がプレゼンテーターとしてオンライン配信される説明会と、投資家向けにCFOや財務担当執行役員がスピーカーとなって経理・財務的な詳細を説明する説明会の2つが開催されます。いずれもソフトバンクグループのIRサイトで動画がアーカイブされていますので、ご興味のある方はご覧ください。

さて、決算説明会資料を読んだことがある方なら、このスライドから始まる資料は珍しいとピンとくる方も多いと思います。ソフトバンクグループの決算説明会資料は、第1四半期までは通常の損益計算書から始まる資料でしたが、第2四半期から売上も営業利益のスライドもなく、いきなり純利益を明示するスライドになっています。

特に今回は「純利益3兆円超え」という強いインパクトがありましたので、日経新聞には以下のタイトルが踊りました。
※参考:ソフトバンクG4~12月、純利益最高の3兆円 株高寄与: 日本経済新聞(2021年2月8日配信)

しかし、投資会社としてのソフトバンクグループを「純利益」で見るのは本当に正しいのでしょうか?

<補足:機関投資家向けの決算資料>

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機関投資家向けの決算説明会資料には、このように売上が記載されていますが、孫社長が登壇した説明会では一切売上のスライドが無かったことが印象的です。

ソフトバンクグループの2020年4月-12月の累計売上は、4兆1,380億円で前年同期比(YoY)+6.1%、当期純利益は3兆552億円でYoY+541%でした。

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持株会社であるソフトバンクグループの決算には、子会社のソフトバンク株式会社(ヤフー含む)や、NVIDIAへの売却を発表しているarmの事業会社としてのビジネスと、自社で運営するSVFの投資事業が混在しています。

Next: どうやって日本史上最高「3兆円」を超える純利益を叩き出した?

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