30代前半の独身女性から「結婚したら仕事を辞めようと思っていた。続けるべき?」との相談を受けました。専業主婦世帯は、いずれ高確率で破綻します。婚活FPの立場からアドバイスします。(『婚活FP山本の実例分析書 ~運命の出会い、その先を見据えて~』山本昌義)
山本FPオフィス代表、CFP。商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年に山本FPオフィスを設立。現在は「婚活FP」を名乗り、婚活パーティ等を企画しながら婚活中の方、あるいは結婚直後の方など比較的若年層の精神面・経済面双方の相談業務をメインにこなす。中立性の確保の点から、一切の商品・代理店は扱っていない。
「結婚したら仕事を辞めようと思っていた。続けるべき?」
婚活ファイナンシャルプランナーとして活動する私のもとに、30代前半の独身女性から、結婚後の仕事についての相談をいただきました。「何となく結婚したら仕事を辞めようと思っていた。続けるべきですか?」という内容です。
当人は年収300万円の会社員。最近ついに彼からプロポーズされたそうです。一方、ふと私の記事が気になり、仕事を続けたほうがいいか気になったとのこと。ちなみに彼は年収500万円の会社員だそうです。
今や共働きが主流と言われているものの、まだまだ結婚で仕事を辞める女性も多いですね。実際、周囲では辞めた人が多いらしいのですが、少し冷静に今後を考えることをおすすめします。
今回は、結婚にともなう退職について大切なポイントをお伝えします。
もはや専業主婦世帯は老後を生き抜けない
さて、まずは基本ですが、「もはや専業主婦世帯は老後を生き抜けない」このくらい先々を見据えることが大切です。
先般、老後資金2,000万円問題が騒がれましたが、実際には一般的に4,000万円程度が目安になります。仮に60歳まで25年ほど時間があるとしても、1年あたり160万円、月13万円ほど貯金が必要です。
また老後資金準備の誤算になりやすいのが「教育費」です。22年総額で1,400万円ほど必要であり、1年あたり約64万円、月5万円ほど必要になります。
つまり、仮に結婚後に子どもを2人ほど望めば、合わせて月23万円ほど貯金が必要です。共働きでも、簡単に貯金できる金額ではありません。住居購入など、他のことでも貯金が必要になります。
仕事を辞めても即座に家計破綻するわけではないものの、貯金不足ならいずれ破綻してしまうのが現実。破綻しそうになってから復職を考えても手遅れです。
周囲が退職したのは、未来を無視しているからとも言えるでしょう。同じく退職すれば、同じ結末が待ち受けています。なるべく結婚しても、仕事は続けましょう。