共用施設を使わない家庭の「マンション管理費」を値切ることは可能か?

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近年、都市部を中心に人気を集めている「ホテルライク」が売りのマンションですが、終の棲家として選択するには注意が必要なようです。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者の廣田信子さんが、そうしたタイプのマンションの高額な管理費にフォーカス。その上で、高齢者がホテルライク仕様のマンションを購入することのリスクを説いています。

共用施設を使わない高齢のタワーマンション住人には管理費が高すぎる?

こんにちは!廣田信子です。

タワーマンションに住んでいる高齢のご夫婦にとって、管理費が高すぎるのでは…という話が出ました。そのタワーマンションは、スポーツジム、プール、レストラン、展望ルーム等共用施設が充実し、ホテルライクが売りで造られています。定年退職後、海外勤務が多かったご夫婦が、老後は、都心での暮らしを楽しもうと、購入されたのです。

入居直後は、夫は、毎日のようにスポーツジムに通っていたのですが、十数年が経過し、かなり年齢も重ねました。ここ数年は、病気をしたこともあり、夫はジムに通うことはありませんでした。

2年前、夫は突然脳梗塞倒れ、体が不自由になり、入院、リハビリ後も自宅に戻ることができすに介護付きの施設に入居しました。妻も、お友達との付き合いはありますが、館内の施設を利用することはほとんどありません。

夫が突然倒れたことで、今後のお金の心配もあり、海外勤務の息子から相談された友人であるAさんは、状況を聞いて、その管理費等の高さにびっくり。もともと管理費は高かったのですが、第1回の大規模修繕工事の時期を迎え、修繕積立金の大幅値上げも控えています。

管理費の内訳をみると、スポーツジム等の共用施設の運営費が大きいのです。スポーツジムやプールを、家族数人で頻繁に使っていたら、スポーツクラブに払うであろう数万円の価値が含まれていると考えれば、納得がいく金額かもしれませんが、まったく使用しない家族にとっては、何だか不公平に感じるのもわかります。

夫の施設入居に高額の一時金を支払い、月々まとまった費用の支払いが必要になってみると、かなり家計は厳しいものになり、預金を切り崩しつつの生活になります。施設を利用しないものには、管理費を安くするべきではないか、これでは、あまりにも不公平だ。これを是正することはできないのか…とAさんに聞かれたのですが…。

施設の利用頻度によって管理費の額に差をつけることはできませんが、施設利用料を上げて、受益者がその管理費用を負担する割合を増やし、その分、管理費を下げることは可能でしょう…と答えましたが、実際に、ここまでくると、共用施設が自由に使えるのが前提で入居している人が多いでしょうし、共用施設が充実していることから、賃貸入居の希望者が多く、賃貸に出している住戸も多いので、施設利用料を大幅に上げるというような話は、反対者が多くて難しいだろうと思いました。

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