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無印良品“ウイグル問題無視”に日本でも不買の動き。二階氏「東京五輪中止」発言は中国からの指令か

中国・新疆ウイグル自治区の人権侵害を巡る問題が世界的に取沙汰されるなか、生活雑貨店「無印良品」を運営する良品計画が、ウイグル産の綿を使った衣料品の販売を続けると決めたことに、批判が多く集まっている。

報道によると良品計画は14日、プレスリリースにて「新疆綿」を使った衣料品の販売を続けると発表。また、オンラインで行われた記者会見で同社の財務担当の執行役員は「国際機関が発行するガイダンスにのっとり独立した監査機関に調査を依頼し、サプライチェーンに重大な問題点はなかった」とコメントしている。

記者会見では、同社の松崎暁社長に対してウイグル問題に関する質問がいくつかなされたものの、それらには答えず、具体的な言及を避けたという。

「人権よりもビジネス」の姿勢に批判の声

中国政府が少数民族ウイグル族への弾圧を行い、綿花などの生産のために過酷な環境で強制労働させているとされるウイグル問題。

国際的な批判の高まりを受けて、日本国内でもウイグル産の原材料を使わないと宣言する企業が多く出てきており、ここ最近ではアパレル大手の三陽商会が、自社製品に新疆産綿花を使用したものがあると明らかにしたうえで、代替素材の使用も検討すると発表。またカゴメも、新疆ウイグル自治区で生産されたトマトペーストの、原料としての利用を近く中止すると報じられている。

そんななか、このウイグル問題に対して明確な態度を示していないのが、今回の記者会見でだんまりを決め込んだ「無印良品」の良品計画。そして、先日の会見でウイグル問題のことを聞かれ、柳井正会長兼社長が「政治的には中立な立場でやっていきたい」と答えて批判を浴びた「ユニクロ」のファーストリテイリングだ。

両社がウイグル問題から目を背ける理由として挙げられるのが、「綿花の調達先がほぼウイグルで、代替品を探すのが困難」というもの。ただ、トマトに関しても世界最大の生産国が中国で、そのほとんどがウイグル産とされるなか、カゴメはその使用を中止すると宣言したことで、今後「無印」「ユニクロ」がその理由を使いづらくなるのではといった声もあがる。

いっぽうで、もう一つの理由とされているのが、両社にとって中国市場が企業成長上の生命線となっているという事情だ。良品計画に関しては、中国での売上が全体の2割を占めているという状況。またファーストリテイリングも、欧州がコロナの影響で苦戦するのに対して、中国大陸市場など東アジアでの事業は総じて好調で、先日発表した2021年8月期第2四半期決算では、営業利益が22.9%増となったと報じられている。

中国国内では、いち早くウイグル問題に対して声をあげたスウェーデンのアパレルメーカー「H&M」が、アリババなどのサイトで商品の検索できなくなったり、北京にある「H&M」店舗の位置が一部の地図アプリで表示されなくなるといった圧力が掛けられていると報じられている。「無印」や「ユニクロ」も、もし反中国の姿勢を少しでも見せれば、それらの市場をたちまち失うことにもなりかねず、それが故にウイグル問題から目を背けているというのが、大方の見方となっている。

要は「人権よりもビジネス」という選択をしたわけで、両者の対応を受けて日本国内でも「不買」の声が広がりつつある状況。殊にファーストリテイリングの柳井会長兼社長に関しては、間が悪いことに先週発表されたフォーブスの長者番付で、資産441億ドルで世界31位と伝えられたばかりとあって、より風当たりが強くなりそうな情勢だ。

ウイグル問題の影響で「東京五輪中止」の流れに?

このように日本国内でも不買を呼びかける声があがるなど、世間の関心事となりつつあるウイグル問題だが、この流れがなんと東京五輪の中止にまで繋がっていくとの推測も、ここに来て浮上しているという。

ウイグル問題が全世界的に取沙汰されるなか、アメリカ国内では2022年に北京で開催予定の冬季五輪に関して、ボイコットすべきだという声もあがる。またウイグルの支援組織も、スポンサー企業に対して北京五輪への支援を止めるように呼びかけているという状況だ。

そんななか飛び込んで来たのが、自民党の二階幹事長による「東京五輪中止も選択肢」という発言だ。報道によると二階氏は、CS番組の収録中に「これ以上とても無理だということだったら、これはもうスパッとやめなきゃいけない」とコメント。中国ベッタリな政治姿勢でお馴染みの二階氏による、突然のびっくり発言だっただけに、ネット上では「中国から何らかの指令があったのか?」との憶測が飛び交う事態となった。

二階氏の発言の真意に関しては「北京五輪をコロナ復活のシンボルにするため」「東京がダメになれば北京五輪の価値が上がる」「二階は東京より北京が大事」など、様々な意見が出ているが、いかにも尤もらしいものとされていたのが、「ウイグル問題による北京五輪ボイコットや中止のダメージを和らげるため」という説だ。

要は「東京が中止になれば、北京もコロナを理由にして中止にしやすい」というもの。さらに、これだけコロナが猛威を誇るなかで東京は開催し、いっぽうの北京がウイグル問題がこじれて中止になってはメンツが丸つぶれになる、そんな思惑もあるのではとも噂されているのだ。

懸案事項であるコロナに関しては収束する気配が全く見えないなか、開幕まであと100日を切ってしまった東京五輪。今回の二階氏による発言が、その開催にどのような影を落とすのか、大いに注目が集まるところである。

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