韓国ワクチンが大混乱。自慢の「K注射器」異物混入で接種に暗雲

kp20210420
 

新型コロナワクチンの接種率が世界最低レベルにある日本。しかしお隣韓国では、ワクチン接種の根幹を揺るがすと言っても過言ではない大きな問題が起きてしまったようです。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、「K-防疫の輝かしい成果」として鳴り物入り導入された韓国製の注射器から異物が発見され、大規模な回収騒ぎに発展したというニュースを紹介しています。

ほどほどのところで認め合おうよ

K-防疫の輝かしい成果として文政府が鳴り物入りで宣伝していた「K注射器」から異物が発見され今韓国は大騒ぎとなっている。注射器から異物が見つかったという通報は今年2月末から全国各地で21件寄せられている。このうち19件は、一つの業者が作った注射器で、全国に約120万個が配布され、すでに50万個が使われている。まだ使用されていない注射器70万本の回収を急いでいる現状だ。

文政府が「K注射器」として広報したのは、「最小残余型(LowDeadSpace=LDS)注射器」とされるもので、この「LDS注射器」は、残留しているワクチンを最小化するために、ピストンと針の間に空間がほとんどないように製作された特殊注射器である。この注射器を使えばコロナ19ワクチン1本当たりの接種人数を1、2人増やすことができるため、文政府はこれを「K注射器」と呼び、防疫の成果として大々的に広報してきた。今のところ、この精度で注射器を作れるのは、韓国だけのようだ(筆者の認識)。この注射器から異物が見つかったのだから、大変だ。異物のほか、一部の注射器は目盛りが消えていたり不正確だったとも伝えられている。

異物が発見された注射器を作ったA社は今まで300万個を生産し、120万個を全国に供給している。ソウル市19万9,200個、京畿道16万6,000個、釜山市12万5,100個、慶尚南道12万3,300個、慶尚北道10万3,400個、全羅南道9万3,200個、全羅北道7万1,200個、済州1万5,200個など、全国の予防接種センターや保健所、接種機関に配布された。上述のようにこのうち50万個はすでに使用されており、政府は残りの70万個を対象に使用中止措置を取った後、回収に取り掛かっているわけだ。疾病管理庁は今年7月末までに、A社から2,750万本、S社から1,250万本のLDS注射器合計4,000万本を受注・契約している(今後これがどう変化するかも注目だ)。

保健当局は、注射器から発見された異物の有害性や被害可能性を究明しているところで、食品医薬品安全処の関係者は「今までLDS注射器による被害事例は報告されていない」とし、「現在、異物の正確な成分と原因などを調査している。今後はLDS注射器の品質管理のために生産企業の現場指導および製品に対する技術支援を継続していく」と言っている。

チョ・ミョンヒ「国民の力」議員は、「不足したコロナ19ワクチン確保数量が足りないことをもみ消そうと広報に熱を上げていたK注射器において相当の問題が発見されたが、最初の通報から20日も過ぎてから回収措置に取り組んだのは、あまりにも遅すぎる対応」とし、「政府は注射器異物による国民の異常反応や被害事例があるか徹底的に調査して直ちに措置する必要がある」と強調した。

この国が、ワーッと熱くなって騒ぐ体質は、昔から有名だ。「K注射器」で騒いでいたときは、「ほほーっ、こんなものが韓国でも作れるのか」と筆者は結構感心して見ていた。すごいじゃないかと。でも調子に乗りすぎないほうがいいんじゃないのと、文在寅の、鬼の首を取ったような発表の態度に一抹の不安を感じていたら、やっぱりというか、こんな事態が発生してしまった。何事も、ほどほどにしておくべきなのだ。

print
いま読まれてます

  • 韓国ワクチンが大混乱。自慢の「K注射器」異物混入で接種に暗雲
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け