ネットショプではダメ。買い物難民が本当に求めているものは何か?

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大きな社会問題のひとつとなって久しい、買い物難民の増加。リアル店舗の減少が大きな原因として挙げられていますが、ネットスーパーはその解決策たり得ないようです。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、彼らの多くを占める高齢者が本当に求めているものを分析するとともに、真の買い物難民問題の解決法を考察しています。

買い物難民が本当に求めているのは、「ネットスーパー」ではない

日本全国の過疎地や高度成長期のニュータウンでは、徐々に買い物をする場所がなくなり、買い物難民が増加しています。

社会問題となっていることから、ネットスーパーや移動販売の復活など、さまざまな取り組みが行われています。これにより、まだまだ充分ではありませんが、少しずつ不便さは解消の方向に進んではいます。

しかし私は、これらの取り組みは、本当の意味での問題解決にはならないと捉えています。

確かに、不便さは解消されるでしょうが、それだけが買い物難民の抱える問題ではありません。買い物難民には、場所柄、高齢者が多くいます。高齢者が求めているのは、“不便なくものを手に入れること”ではなく、“買い物をする場所”なのです。買い物をする楽しさを味わいたいのです。

歳を取って、遠出することもできなくなった高齢者は、“たかが買い物”を非常に喜ぶのです。さまざまな商品を自分で見てまわり、手に取り、選びたいのです。

そして、そこで出会った知人と話がしたいのです。お店が社交場となるのです。それが、高齢者の願いです。本当に求めていることなのです。ネットスーパーや移動販売も必要なのですが、たまには買い物に出掛けたいのです。

元気で長生きしてもらうためには、ささやかな楽しみが欠かせません。買い物に連れて行ってあげる取り組みが必要なのではないでしょうか。

一部では実施されていることですが、スーパーと行政が共同で、送迎バスを運行している地域があります。週に何度か、数カ所の乗り場を巡回しているのです。このバスは無料となっていますが、有料でも構わないと思います。

ときどき買い物に行けることは、高齢者を笑顔にするのです。

image by: Shutterstock.com

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なぜ、人はモノを買いたくなるのか。欲しいという感情は、どこから生まれるのか。消費行動における人の心理を知れば、売れるモノが見えてくる。売り方がわかる。小手先のテクニックなど、いらない。人を研究すれば、やるべきことはすべてわかる。

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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