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Yahoo!とLINE、なぜ買収ではなく経営統合だった?絶好調の決算で見えた課題と成長戦略=シバタナオキ

3月1日付けで経営統合を果たしたYahoo!(Zホールディングス)とLINEの初の四半期決算が発表されました。Yahoo!、LINE、ZOZOと3つのスーパー企業統合は順調に進んでいるようです。今回はその四半期決算について解説をしていきます。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2021年4月19日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

Yahoo!(Zホールディングス)とLINEの提携は、なぜ買収ではなく経営統合になったのか?

私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間が無い」というお声を多数いただいています。

この記事では、以下の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。

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今回の決算の印象は?

(Risa)皆さんこんにちは。今回は3月、遂にLINEとの経営統合を完了し、新たなスタートを切ろうとしている、Zホールディングスの2020年度第3四半期の決算をシバタさんに解説して頂きます。

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――第3四半期の連結業績営業利益は、前年同期比?8.1%だったものの、売上収益、EBITDAベースの利益では、共に前年同期比がプラスに伸びていました。

――今回の決算の全体の印象を教えて下さい。

(シバタナオキ)第3四半期で売上が3,000億円を超えており、年に換算すると1.2兆円の規模です。売上が前年同期比+14.9%なのは、本当にすごいの一言に尽きます。

EBITDAの伸びもそれに伴っているので、文字通り絶好調だったのではないでしょうか。

競合「楽天」の取引高成長率が高い要因は?

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――Zホールディングスの主な事業セグメントは、ヤフオク、PayPayフリマ、ZOZO、アスクル、金融などのコマース事業と、広告収入や電子書籍などのメディア事業があります。

――まずは、売上の大部分を占めているコマース事業から見ていきましょう。ショッピング事業を順当に伸ばしているのが伺えます。

――第3四半期はかなり販促費を投下しているようです。競合である楽天の取扱高成長率(前年同期比+38.5%)の方が高い要因を教えて下さい。

楽天の方がGMVの前年同期比が高いのは結構意外です。コロナの前までは、ずっとYahoo!の方が成長率が高かったので。

Yahoo!のショッピング事業の取扱高は、前年同期比+33.7%と十分高いです。そのためYahoo!が失敗したというよりは、楽天がすごかったという見方が正しい気がします。

Next: 重要KPI「ショッピング広告テイクレート&販促活動費比率」をどう解釈?

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