先日掲載の「『部下が報連相を守らない』と嘆く上司は、まず自分の胸に手を当てろ」では、「報連相が無くて困るのは上司の方」と指摘した、無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』著者の佐藤しょ~おんさん。その報連相を組織に根付かせるには、どのような施策が必要なのでしょうか。佐藤さんは今回、報連相を定着させるために必要な「2つの価値観」を挙げるとともに、具体的な運用法をレクチャーしています。
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報告したことを褒めるべし
前回は、報連相は実は上司が仕事をちゃんとやるために必要なものなのだという話をしました。
それが分かると、どうにかして部下の人に報連相をしてもらうように仕向けなきゃならないってことにも気付くはずです。
太陽と北風の寓話じゃありませんが、
■ 報告しなきゃクビにするぞ!
と脅すよりも、
● 報告したら良いことがあるぞ!
と思ってもらった方がやる気になるということにも気付きますよね。
そう思ってもらうために、部下が報連相をしてきたら、そのことを褒めるのですよ。
上司って、報連相をしてきた内容にビットが立ちがちで、
▼ なんでそんな数字になったんだ?
▼ クレームは解決してから報告しろ
▼ そんなことも自分で考えられないのか?
▼ 予算が未達ってどういうことだ?
みたいに、「どのような報告をしたのか?」で相手をジャッジしがちなんですよ。そこはポイントじゃありませんから。まずは報告してきたこと、連絡してきたこと、相談してきたことを褒めるのです。内容の話はその後です。
報告をしたのに、内容について叱責されるとフツーの部下は、
■ 報告したイコール叱られる
と因果関係を結び付けるのです。その結果、「叱られたくないから報告しない」という選択に傾くのです。それを回避するためには、
● 報告をしたら褒められる
という価値観を植え付けなければならないのです。どんなにヒドい内容の報告であれ、
● 隠さずにタイムリーに報告をしてきた
ということを褒めるのです。
これが定着するまでに半年やそこらは掛かると思いますが、ここはガマンの一手なんですよ。
そしてこれが組織に定着して来たら、次にやるべきは、
● 報告せずに隠したらアウト
という価値観を植え付けるのです。これは表裏一体の関係です。報告したら褒められるのであれば、報告せずに(都合の悪いニュースを)隠したら叱られるのは当たり前です。
この2点が社内の文化として根付かないと、組織の改革はスタートできません。
報告の内容云々についてあれこれやるのは、この2点が組織内に定着した後の話です。どんなことも、隠さずタイムリーに報告するのが当たり前だ、報告した人は決して罰せられることはないのだと、関係者全員が理解させます。そのことが定着しないうちに、報告内容にメスを入れて改善させようとすると、必ず報連相をしないという選択をあなたの部下は選ぶようになりますから要注意です。
これを全社でやるのは大変ですが、自分が責任を持つ部門、部署でやることはあなたの意志でできるんです。あなたが課長ならその課の中でそのルールを徹底させる、部長なら部の中で徹底させるのです。
長い目で見ると、この文化があなたを助けてくれるようになるんですから。
部下が悪いニュースを隠蔽していて、後でそれがバレた、という状況の方が、上司にとってバツが悪いですし、顔から火が出るくらい恥ずかしい思いをしますからね。
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