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日米共同声明に習近平が大激怒。「レアアース禁輸」発動で世界はインフレ地獄へ=高島康司

日米首脳会談の共同声明で台湾問題に触れたことで、中国は猛反発している。現状、中国からの輸入がストップすれば、米国の安全保障は脅かされるだろう。中国に依存しないサプライチェーンの構築が必要になるが、それは急激なインフレという別の大問題を引き起こす。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)

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最悪なタイミングで始まるアメリカ「中国依存脱却」

最悪なタイミングで実施されそうなアメリカの中国依存脱却について解説したい。

4月16日、アメリカのバイデン大統領は、今年1月に政権発足後初めての外国首脳として日本の菅首相をホワイトハウスに招き、対面形式による日米首脳会談を開催した。

会談では、中国が東シナ海などで力による現状変更を試みていることに反対していくことで一致し、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、日米に加え、ASEAN諸国などと連携を強化していくことで一致した。また、台湾海峡の平和と安定の重要性について確認した。

一方、中国政府は、日米首脳会談の共同声明が台湾問題に触れたことで猛反発し、中国外務省は「あらゆる必要な措置を取る」と表明し、人民日報系の「環球時報」も「中国を封じ込めるアメリカの戦略に日本が加わり、日中関係の改善は勢いを失った」とする社説を発表した。

しかし、今回の首脳会談でもっとも重要なのは、安全性の高い5Gネットワークの推進や、半導体など、重要物資のサプライチェーン構築に関する協力拡大で、日本から一定の協力を取り付けたことだ。

バイデン政権は安全保障や経済覇権を巡って対立する中国を警戒し、安全保障上の重要な製品のサプライチェーンの「脱中国依存」を目指している。

これはアメリカ、日本、インド、オーストラリアの4カ国(クワッド)の連携を強化して、中国の政治的、経済的な拡大を抑止する戦略の一環だ。

アメリカの危険な賭け

バイデン政権の中国依存の脱却を目指したサプライチェーンの再構築は、主に4つの分野で展開している。

1. 半導体
2. レアアース
3. 医薬品
4. リチウムイオン電池

貿易の20%を中国に依存している日本としては、こうした分野で中国に依存しないサプライチェーンを構築することは、部品調達などで大変なコスト高になる可能性があり、対応に苦慮する問題となる。

しかし、現在の中国のサプライチェーンの依存度を見ると、バイデン政権としては安全保障上、避けて通ることのできない課題であることも間違いない。

以下は、それぞれの分野における中国のシェア率である。

<(1)半導体の生産能力>

2020年
・台湾 22%
・韓国 21%
・中国 15%
・日本 15%
・米国 15%

2030年
・中国 24%
・台湾 21%
・韓国 19%
・日本 13%
・米国 10%

<(2)リチウムイオン電池>

2019年
・中国 73%
・米国 10%
・EU 6%

<(3)レアアースのアメリカ輸入内訳>

2019年
・中国 80%
・エストニア 5%
・日本 4%
・マレーシア 4%

半導体、リチウムイオン電池、そしてレアアースはいま急速に進んでいるEV車や5Gを含む第4次産業革命の機軸となる産業である。

これらの供給が中国に依存度していることは、アメリカの安全保障によっては大きな脅威となることは間違いない。

Next: 最先端技術には中国産レアアースが必須。どう脱却する?

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