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トヨタ「乾いた雑巾」さらに絞って営業利益回復。テスラ・Appleほか他社ブランドの車を製造する可能性も?=シバタナオキ

トヨタ自動車の2021年度第3四半期の決算では、営業利益が5四半期ぶりに回復を見せました。勢いを増すテスラ・Appleなどとのソフトウェア競争に勝てるのでしょうか?また、他社ブランドの車を製造する可能性はあるのか、決算書をもとに今後の戦略を読み解きます。『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2021年4月25日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

今回の決算の印象「ものすごい経営努力をしている」

私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間が無い」というお声を多数いただいています。

この記事では、以下の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。

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ーー(Risa)皆さんこんにちは。今回は、営業利益が5四半期ぶりに回復を見せた、トヨタ自動車の2021年度第3四半期の決算をシバタさんに解説して頂きます。

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ーートヨタ自動車の決算は、自動車販売の増加に加え、コスト削減も奏功して、営業利益は2兆円の大台を回復する見通しと発表しました。

ーー新型コロナウイルスの影響や、世界的な半導体不足により、生産や販売に大きな打撃を受ける企業も多い中、トヨタの底力を感じます。

ーーシバタさん、今回の決算の全体の印象を教えてください。

(シバタナオキ)上の画像の通り、今回の見通しとしては、前の年は2.4兆円くらいだったところが、2兆円くらいになりそうです。

左から順に、まず為替の影響でマイナスがありました。そして原価改善の努力。これは部品の仕入れをちゃんと絞ったということですね。

そして販売が減りました。さらに、諸経費の増減・低減努力がプラスなので、経費削減をしたのでしょう。

ざっくり言うと、売上が4,750億円くらい減りそうなのです。

一方で、経費削減や原価改善をして、2,850億円分取り戻しました。為替やスワップなどの金融系の影響を除くと、-1,900億円に留まっています。

そのためものすごい経営努力をされているな、というのが一番の印象です。

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こちらは9ヶ月累計の販売台数を示したグラフです。2019年と2020年の4~12月を比べていますが、20%ほど減っているのが分かります。

日本は91.3%と、そこまで減ってはいないのですが、それ以外の地域では大きく減りました。北米は20%減、ヨーロッパはそこそこ持っている気はしますが、アジア、その他では33%ほど落ちています。

コロナの影響も当然あるので、かなりトップラインは厳しいですが、ボトムラインは経費削減などの努力でダメージを最小限に食い止めているのではないでしょうか。

Next: コロナ禍でも利益率を高水準で維持できた理由は?

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