なぜベンチャー農家の若者たちは「農協」に頼らないか?下剋上の野心

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日本中で数が少なくなってきていると言われる農家ですが、そんな状況の中でも画期的な「ベンチャー農家」として就農する人たちが増えてきているようです。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、「ベンチャー農家」について解説するとともに、「農協」に入らない大きなメリットについても論じています。

小さな農家は、多品種少量生産で

いま、「ベンチャー農家」として就農する人が増えています。農協に入らず、独自の販売ルートを開拓する、小さな農家のことです。農協に入っていては、制約も多く、自分たちの目指す農業ができないからです。作物の種類も決められ、農薬も使わなければなりません。就農するからには、理想を追い求めたいと願うのが当然。そのためには、農協の傘の下に入るわけにはいかないのです。

あるベンチャー農家は、あまり世の中には出まわっていない、珍しい野菜やハーブを育て、レストランと直接取り引きすることにしました。イタリア料理やペルー料理に使われる、野菜やハーブばかりを育てているのです。

日本では手に入りにくい食材は多く、代用品を使うか、輸入するしか手はありません。それらを日本で栽培できれば、必ず需要はあると見たのです。

しかし、決まった品種を大量に作っても、それほど販売先が多いわけではありません。そこで、売れるであろう品種を数多く、少量ずつ育てることにしたのです。ビーツ、コールラビ、カーボネロ、ワカタイ、ロコト、アヒリモ、カステルフランコ、ロマネスコ、ストロベリートマトなど。聞いたことのある名前もあるかもしれませんが、ほとんどが知らないのではないでしょうか。まだまだ日本では広まっていませんが、量は少なくとも、確実に需要のある野菜やハーブです。

いまの段階では、農協が扱うことはありません。すなわち、欲しい料理人がいるにも関わらず、手に入りにくいので、供給すれば、間違いなく売れるのです。ほぼ受注生産と言っても良く、売れないリスクはほとんどありません。

いま食の世界では、アイデアに溢れた若い料理人が増えています。彼らは、日々新しい食材を求めているので、珍しい野菜やハーブを作っていれば、必ず訪ねて来てくれます。

小まわりの利く小さな農家だからこそ、できることなのです。

image by: shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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