その道のプロに対して「一番大切にしていることは?」と聞く人が残念な訳

shutterstock_1617782533
 

セミナーや講演会の「質疑応答コーナー」が盛り上がるのは、講師としてありがたいものだといいますが、受けても通り一辺倒なことしか答えようがない質問もあるようです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、講師に対して「一番大切にしているもの」を尋ねることが不毛である理由を紹介。さらに、そのような質問に嬉々として答えるような人間については「それっぽいことを語りたいだけの人」と一刀両断しています。

「大切にしていることは何ですか?」と聞いたことはありませんか?

今日の内容、むちゃくちゃ口が悪くなると思うので、閲覧注意です。

セミナーに参加したり、私自身が研修・セミナー等をやっていたりすると、たまに質疑応答の時に、「一番大切にしていることは何ですか?」的な質問を受けることがあります。

例えば、講師に向かって、「〇〇さんは今日の内容でこう仰られていました。そこでお伺いしたいのですが、〇〇さんが接客で一番大切にしていることは何ですか?」みたいな質問をするわけです。

聞かれた側としては真摯に答えようとはすると思いますが(私もそうなので)、ただこの質問は、本質をついているように見えて実は全然そんなことはない質問でもあります。というか講師側からすると、この手の質問をしてくる人はあまり質問が上手ではないなーと感じるのが本音です。

セミナーや研修をしている講師側の人というのは、基本的に何かしらのプロであることがほとんどだと言えるでしょう。そのプロに対して、「一番大切にしていることは何ですか?」「大事にしていることは何ですか?」と聞くのですが、返ってくる答えはまず間違いなく基本的なことだったりします。

少し前の配信で、私がこれを聞かれた時に、「結局印象ですかね」的な答えを返したと書いた記憶がありますが、「印象が大事」なんて、基本中の基本で、誰もがわかり切っていることだと思いませんか?

でもこの質問で返せる答えは、そんなもんです。だって印象が悪ければ、何も始まらないので、「一番大切にしていることは何か」と聞かれればそう答えるしかありません。

質問をしている側の人は、一番大事にしていることを聞くことで、何か名言のような、それらしい答えが返ってくることを期待しているのか、それとも「表面的ではない、本質的なところを聞いているでしょ?」とアピールしたいのかは知りませんが、そんなこと聞くまでもないのです。この話は多分反論がある人も多そうな件なのですが、私は結構そう思っています。

print
いま読まれてます

  • その道のプロに対して「一番大切にしていることは?」と聞く人が残念な訳
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け