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なぜ韓国大統領は4年目に沈むのか?反日が裏目、文在寅は「2つの過ち」で自滅した=勝又壽良

韓国の文在寅大統領は、任期をあと1年残すという段階で、早くも国民の支持を失って漂流状態を迎えている。支持率はレッドラインの30%を割って29%へ落ち込んだ。歴代の韓国大統領たちと同様に、4年目に沈むことになる。2019年7月、文氏は「日本に2度と負けない」と啖呵を切った頃が懐かしくなるほどの落勢である。(『勝又壽良の経済時評』勝又壽良)

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※本記事は有料メルマガ『勝又壽良の経済時評』2021年5月3日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)
元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。

反日は韓国の「生きがい」

韓国の文在寅大統領は、任期をあと1年残すという段階で、早くも国民の支持を失って漂流状態を迎えている。2019年7月、文氏は「日本に2度と負けない」と啖呵を切った頃が懐かしくなるほどの落勢である。

大統領就任直後は80%台という高い支持率であった。この「ご祝儀相場」に酔ってしまい、国民から100%の負託を受けたと錯覚に陥ったのである。

内政面では、支持者向けの政策(最低賃金の大幅引き上げ、原発廃止)を行い、ご機嫌伺いした。

外交面では、徹底的に反日政策を行なった。これが、日米韓3ヶ国の安保体制にヒビを入れさせるという大きなミスを冒している。

さらに、米国バイデン政権が牽引するインド太平洋戦略対話の「クアッド」参加問題では、中国の怒りを恐れて曖昧戦術を取って、米国を当惑させている。

こう見ると、文政権は何の目的で存在しているのかという根本的な疑問にぶつかる。皮肉な言い方をすれば、国内では労組と市民団体の利益に奉仕する。外交では、中朝を怒らせまいと涙の出るほどの低姿勢を貫く一方、日本へは反日の牙を向ける行動を取ってきた。反日は、国内の保守派=親日派を排除するという目的である。

反日は、内政の延長であるから不可欠のツールと化している。最近では福島原発トリチウムが、新たな反日の狼煙に利用され始めた。反日は、韓国の「生きがい」である。

レッドライン割れの支持率

文政権は、既述の通り内政面で労組と市民団体へ顔を向けてきた。それ以外の層は、文大統領の支持層から離脱している。最新調査の支持率では、レッドラインの30%を割って29%へ落ち込んだ。韓国ギャラップが、4月27日から29日にかけての世論調査した結果である。

文大統領が、就任後初めて直面する最低支持率だ。不支持率は60%に上がっている。

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不支持率急増の背景として、住宅価格の高騰が絶望感を与えた。文政権発足後の4年足らずで、ソウルのマンション価格は8割も上昇した。政府は価格抑制策の実施を急いでいるが、歯止めがかからない状態だ。首都圏では家賃高騰で退去を迫られる「マンション難民」も社会問題となっている。家主から一挙に、3割もの家賃引上げを迫られ、やむなく転居せざるを得ないという混乱ぶりである。

世代別の「不支持」率は、次のようになっている。

20代  :62%
30代  :49%
40代  :52%
50代  :61%
60代以上:62% 

すべての世代で、不支持率が支持率を上回るという危機的状態に陥っている。

とりわけ危険視されているのは、文政権支持率29%が、与党「共に民主党」支持率33%を下回っている点である。これは、与党は支持するが、文大統領を支持しないという現象が起こっている意味である。

与党は、文大統領を見捨てて「サバイバル」せざるを得ない深刻な事態を迎えた。こうして文政権は、レームダック(死に体)政権として彷徨することになりそうだ。文政権の寿命が、早くも尽きたのである。

歴代大統領の支持率の変遷と末路

ここで、歴代大統領の支持率の変遷を見ておきたい。

・金泳三(キム・ヨンサム)元大統領
IMF救済金融の申請を経て支持率が急落し、5年目の10~12月期支持率6%へ落ち込む。

・金大中(キム・デジュン)元大統領
就任4年目に、次男のホンオプ氏と三男のホンゴル氏が、収賄で拘束されて世論が急激に背を向けた。任期最後には最低値である24%まで急落した。

・盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領
就任4年目に不動産政策の失敗などでレームダックが加速化した。4年目10~12月期に支持率12%の最低値を記録した。

・李明博(イ・ミョンバク)元大統領
就任4年目に実兄のイ・サンドク議員らが汚職で拘束され、24%の支持率で任期を終えた。

・朴槿恵(パク・クネ)前大統領
就任4年目である2016年、国政壟断疑惑が浮上して支持率が急落し、同年12月国会で弾劾案が可決された。最後の支持率は4%であった。

Next: 就任4年目に沈む韓国の大統領たち。文在寅氏は2つの間違いを犯した

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