激怒したクレーマーからの早口電話をたった3分で収める話の聞き方

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ビジネスシーンの中で困るもののひとつに、お客様やお得意先からのクレーム電話があります。怒りが収まらない相手を、どうやったら落ち着かせることができるのでしょうか? コールセンターでの勤務経験もある作家・起業家の岡崎かつひろさんは、自身のメルマガ『岡崎かつひろの『好きを仕事にするための本当の考え方』』の中で、ビジネスにおける話の聞き方のコツを伝授。さらに、クレーマーなど怒っている人との会話で、早く相手の怒りを鎮められる方法についても紹介しています。

元オペレーターのプロが教える、3分で相手の怒りを収める話の聞き方

4月入社の新入社員の方々、仕事には慣れてきましたか? もしかしたら「この仕事は自分には合わないからやめたい」と思っている人もいるかもしれませんね。

さて、僕がコールセンターでどんな工夫をしていたのかを、具体的にお話しましょう。

まずやったことは、相手の呼吸を読むことです。どういうことかというと、相手の話を聞いてうなずくときのリアクション。これはすごく大事です。

「はい、はい。そうですね。お客様のおっしゃるとおりです」

と伝えることによって、相手は「ちゃんと自分の話を聞いて理解してくれた」と思うからです。

ただ、大事なのは間違いないんですが、リアクション芸人のように大げさすぎてもダメなんですよ。リアクション芸人みたいな話の聞き方をするとどんなことが起きるかというと、文節ごとに相槌を入れるようになるんです。

例えば、お客様が「それで」と話したら「はい!」、「だから」「はい!」こんなふうに、一言話すたびに、はいはい言われたらうっとうしいですよね。

「ちょっとお前、話を聞けよ!」となりますよね(笑)。

話相手がリアクション取るのに一生懸命すぎて、むしろ話す方は話しにくいみたいな感じになります。

そうではなくて、しっかりと相手の話を聞きながら、「どこが意味をとらえるための文節なのか」をしっかりと聞かなければいけません。文書で言ったら「句読点」ですよね。これを読まなきゃいけないのです。そうすると、大体、句と句の切れ目が句読点になってくるので、そこを意識して相槌を打つことが大切です。

仲良くなりたいときは相手の「ペーシング」に合わせる

人には「ペーシング」と言うものがあります。ペーシングとは何かと言うと、相手がゆっくり話す人ならゆっくり話し、早く話す人ならその速度に合わせるなど、話し方や状態、さらには呼吸などにいたるまで、相手のペースに合わせることをいいます。 たとえば、話をしていて「心地いいな」と感じる相手とは、自分と相手の話のテンポが一緒なんですよ。

ちょっと早口だなと言う人は、早口の人と話していると心地がいいんですね。逆に、ゆっくりがいいなと思う人は、基本的にはゆっくり話す人との会話が心地いいんですよ。

「自分にとって心地いい話し方」というのは、世の中の正解と言うよりは、その人たちの正解なんです。世の中的な正解は、「ちょっとゆっくり話したほうがいいよ」というのがありますけどね。

大事なのは「怒っている人のペース」に流されないこと!

さらに、「世の中的な正解」は何かと言うと、「怒っている人にはゆっくり話す」と言うことです。なぜそうなのかと言うと、怒っている人と言うのは大体早口で、語気が強くて、音程は人によって違うんですけど、女性は高音になるケースが多い気がします。男性はドスを効かせるケースが多いんじゃないでしょうか。

「お前さぁ、マジでいい加減にしろよ!」「あなたはなんで私のことをわかってくれないの!」みたいな感じですよね。

初めて電話対応する人などは、これを知らないからびっくりして相手の話すスピードと声のトーンに合わせちゃうんですよ。「お客様本当に申し訳ございませんでした!」みたいな感じになってしまいます。

そうすると相手は、電話に対応したオペレーターの話すペースが自分にあっているから、気持ちよくて怒る怒る!

だから、怒っている相手には、不快感を与えない範囲で相手を落ち着かせなければいけないんです。そういう時はちょっと落ち着いた声のトーンにしてゆっくり話すのがいいんです。そうすると、相手はペースが合わないからそこに不協和音が鳴り出すんです。それでちょっとずつ落ち着いてくるので、落ち着いてきている人には、ちゃんと落ち着いたペースで合わせてあげるといいですね。

こういうことをちょっとずつやっていくと、コールセンターの対応品質が上がってくるわけですよ。

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