経営統合を検討のエア・ドゥとソラシドを新聞はどう報じてきたか?

shutterstock_1601698462
 

コロナ禍による鉄道や航空会社の大きな赤字の話題が連日報道されています。そして14日、エア・ドゥとソラシドエアが生き残りのために経営統合を検討していると新聞各紙が伝えました。メルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』著者でジャーナリストの内田誠さんが、毎日新聞の記事を元にこの動きを解説。さらには東京新聞が過去に掲載した「エア・ドゥ」に関する記事を検証し、航空業界の苦しい現状を伝えています。

新聞各紙が伝えたエア・ドゥとソラシドエアの統合

きょうは《毎日》から。エア・ドゥとソラシドの統合についての記事を各紙掲載しています。エア・ドゥは96年に設立され、2002年に民事再生法適用を申請後、全日空の経営支援を得て2005年に再建。ソラシドエアは1年遅れて97年に設立。2015年まではスカイネットアジア航空の名を使用していた航空会社。2001年以降、産業再生機構と全日空から支援を受け、事業を再生した経緯がある。

試しに《東京》の5年分のデータベースで「エア・ドゥ」を検索すると、13件にヒット。きょうはこれが対象です。まずは《毎日》6面記事の見出しと、【セブンNEWS】第5項目の再掲から。

エア・ドゥとソラシドエア
共同持ち株会社設立へ
来年秋にも

北海道と東京を結ぶ路線が中心のエア・ドゥと主に九州・東京間を運航するソラシドエアが、共同で持ち株会社を設立し、経営統合する検討を進めていることが判明。月内の基本合意を目指す。コロナ禍で航空各社の業績が著しく悪化する中、再編は初。

以下、記事概要の補足。両社は事実上の経営統合により、機体整備や資材調達などで協力し、効率化することが狙い。2社は事業会社として持ち株会社の傘下に入り、ブランド名はそのまま。また、両者の筆頭株主である日本政策投資銀行に対して、各々数十億円、資本増強の支援を要請する。コロナ禍の影響で、両社の20年9月中間単体決算は、エア・ドゥが67億円、ソラシドエアが54億円の、それぞれ最終損失を計上。

●uttiiの眼

両社は、規制緩和で90年代後半にスカイマークと共に設立された、いわば「第3」「第4」、あるいは「第5」の航空会社。いわゆる「LCC」(格安航空会社)とは違う位置付けだったが、利用者にとってはフルサイズのキャリアーとは違うものとして、ほぼ区別せずに利用されてきたものだろうと思う。コロナ禍で航空会社はどこも大変な状況だが、2社が業界再編の対象になるのは当然のことかもしれない。

print
いま読まれてます

  • 経営統合を検討のエア・ドゥとソラシドを新聞はどう報じてきたか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け