ビジネスホテルも。日本温泉協会が「オール5」をつけた全国の天然温泉

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2018/11/22

日本には優れた温泉地、温泉宿がいろいろとあります。江戸時代に作られた温泉番付を筆頭として、全国の温泉をさまざまな切り口でランキング化する試みが昔からありますが、その評価制度の1つとして、日本温泉協会の天然温泉表示制度をご存じでしょうか。

現在でこそ廃止が決定されており、2005年以降、評価自体の更新は行われていませんが、学識経験者などが厳格に評価した指標であるため、温泉宿選びにおいて大いに参考になる情報の1つになります。そこで今回は日本温泉協会の天然温泉表示制度で「オール5」の評価を得た、全国の温泉旅館・ホテルを紹介したいと思います。

日本温泉協会による天然温泉表示制度って何!?

image by: Sann von Mai / Shutterstock.com

「オール5」を獲得した施設を紹介する前に、日本温泉協会による天然温泉表示制度について、少し詳しく紹介しましょう。もともと同制度は、日本温泉協会が会員施設の使用する温泉を「本当に天然温泉なのか?」と、利用者に分かりやすく表示するために1976年にスタートしたところから歴史が始まります。2000年に制度の見直しが行われ、2003年から2005年にかけてのテスト期間を経て、新制度がスタートしました。

初代制度は天然温泉だと認められた場合、会員施設に天然温泉表示マークの使用を認めてきました。しかし、

<大多数の人が温泉に関する情報の公開を求めており、温泉の泉質、泉温以外にも、浴槽の利用形態や 温泉の管理状況にも高い関心を持って>(日本温泉協会資料『新しい天然温泉表示看板について』より引用)

上記のような実態を受け、2005年に新制度がスタート。特に、

  1. 源泉に関する情報
  2. 浴槽の温泉利用に関する情報

について、17項目の情報提供を行いました。

  • 源泉(源泉が温泉地に所在するのか、あるいは湧出の形態、湧出量など)
  • 泉質(利用する源泉の泉質は、療養泉の規定に適合するのかなど)
  • 引湯方法と距離(源泉から施設までの引き湯方法と引き湯の距離など)
  • 給湯、拝湯の方式(源泉かけ流しか、循環式かなど)
  • 加水(加水の有無と、加水の理由)
  • 新湯注入率(1時間あたりの新湯の注入量など)

なかでも上記の項目については、外部の学識経験者などで構成する日本天然温泉審査機構によって、5段階評価で採点が行われます。その評価で全項目最高評価を得た温泉施設を「オール5」と世間が呼ぶようになったのです。

もちろん冒頭でも紹介した通り、天然温泉表示制度は廃止が決定されています。現地調査の人的、金銭的な限界、さらには制度そのものの役割に関する疑義などが持ち上がったからですね。

また、同評価制度の受け入れは会員への強制ではありません。そもそも制度を仕切る日本温泉協会に加盟する温泉宿の正会員は、1,244施設(全国の温泉宿泊施設の数は2013年時点で13,108軒)と限られています。むしろ、全国にある温泉施設の中で、評価を受けている場所はほんの一握りなのです。


それでも一時期、外部組織の調査によって最高評価を得た施設が存在するという事実は変わりありません。評価が行われた時点から再評価を経ぬまま年月が経過していますが、温泉ファンには見逃せない情報なのです!

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