安倍前首相の気配抜群、1億5000万円問題で“黒幕ダービー”の大本命に。二階・甘利氏ら関与全否定で深まる疑惑

2021.05.20
by tututu
arata20200625
 

2019年参院選広島選挙区の公職選挙法違反事件で買収の原資となったとの指摘がある党本部からの1億5000万円に関し、安倍晋三前首相が関与した疑いが出てきた。自民党の二階俊博幹事長、当時の甘利明選対委員長が互いに関与を否定する中、安倍前首相に疑惑の目が向けられている。

河井陣営への1億5000万円提供問題、安倍氏の関与強まる

二階幹事長は17日の記者会見で、「その支出について、私は関与していない」と述べた。それを補足するように、会見に同席した林幹雄幹事長代理は甘利氏が広島選挙区を担当していたと説明した。

急に水を向けられた形となった甘利氏は18日、「1ミリも、正確にいえば1ミクロンも関わっていない。関与していない以前に、党から給付された事実を知らない。これがすべてだ」と国会内で語った。

これに対し、政治評論家の田崎史郎氏は19日に出演した情報番組『ひるおび』(TBS系)の中で、「ちゃんと取材すると誰も嘘を言っていない。みんな本当のこと言ってる」と説明。

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甘利氏について、広島県連との調整など選挙の実務は関わっているが、お金に関しては一切タッチしていないとした。

また、当時官房長官だった菅義偉首相に対しては、政府の権力は握っているものの、党のお金に関わるポジションではないとコメント。

一方、「金はあくまで幹事長。幹事長の力の源泉は金なんです」としたうえで、「二階さんは『知りません』とは言っていない。さすがに二階さんは知らないわけがない。決裁しているんだから。幹事長の決裁なしにこれくらいの金額が動くことはない」と語った。

ただ、お金を出せと言ったのは二階幹事長ではないとし、関与した可能性があるとすれば、安倍前首相しかいないと明言。

田崎氏は「本当に関わったかどうかはわからない」と付け加えたものの、1億5000万円もの大金を河井陣営に渡すよう指示できる立場にあったのは“安倍前首相しかいない”ことを示唆した。

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“嘘つき”自民党本部に広島県連が牙をむく

一体、誰が嘘をつき、誰がしらを切っているのか?

買収の原資となった1億5000万円をめぐり、広島県連会長の岸田文雄前政調会長らが使途解明を急ぎ、国民に説明するよう二階氏に申し入れている。

しかし、二階氏側は「検察から書類が戻れば報告書を作成し、総務省に届ける」と従来の説明を繰り返すばかりで、一向に事実が明らかにされる気配はない。

こうした自民党本部の執行部に怒りをあらわにしているのが自民党広島県連。

会長代理で中本隆志県議会議長は「二階さんの発言を聞きましたが、無責任で情けない。何とも言いようのない怒り。自分勝手な発言だと思いますね」とコメントした。朝日新聞が報じた。

さらに、「県民をこれほど侮辱した言葉はない」と激怒し、発言の撤回を要求。「河井案里さん自体は二階派の議員(当時)でありますので、そこをどのように思っておられるのか」と語気を強めた。

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1億5000万円をめぐって始まった“自民党ウソつき合戦”。関与が強まってきた安倍前首相からも何らかの説明が必要だろう。

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