日本を代表する文豪の一人「太宰治」、彼の名を知らない日本人はいないというほど有名ですが、彼の作品は今も多くの人々を魅了し続けています。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』で編集長の柴田忠男さんが取り上げているのは、各種メディアでも有名な教育学者の齋藤孝氏が太宰治の知られざる魅力について力説する一冊です。
偏屈BOOK案内:齋藤孝『太宰を読んだ人が迷い込む場所』
齋藤孝 著/PHP研究所
「君は太宰の毒に勝てるか?」という、かっこいいセリフがあるようだ。「高校生くらいのときに一度は、はまるよね」とか、「太宰文学はハシカみたいなもんさ」とか。
わたしもエラそーに言ってみたいところだが、そんなに太宰を読み込んでいないから、言う資格がない。
文学部教授である著者は、60歳を迎える歳になって、改めてちくま文庫の『太宰治全集』全10巻を読み直したところ、感慨を新たにしたという。
「いくつになっても、太宰には、はまる。若いときのハシカとばかりは言えない」と思ったそうだ。この全集、一巻につき450ページ前後と、かなりのボリュームらしい。
太宰を読んで過ごす日々に愛おしさを感じている自分がいたという。「だから自信をもって言う、太宰は青年のみならず幅広い年齢層の方が楽しめると」。
太宰作品にはいわゆる駄作もある。イマイチだ、フツーだ、なんだこの落ちは、などという気がしても、どれも「愛すべき小品」に見えてくるという。
作品の良し悪しは別にして、太宰の文章は「笑える言い回し」が多い。「太宰といえば爆笑」といってもいいくらい。私は「爆笑マーク(顔文字)」を書きながら、読み進めている。読むほどに楽しくなってくるので、みなさんにもお勧めしたい。
って、顔文字書けって?本に何か書き込むなんてことできません。