免許再取得、教委に拒否権 わいせつ教員防止へ新法

2021.05.28
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by 時事通信

 教員による児童生徒へのわいせつ行為を防止する新法が28日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。わいせつ行為により懲戒免職となった教員が免許の再取得を申請した場合、各自治体の教育委員会に交付を拒否する裁量を認めたことが柱。与野党が超党派で提出していた。
 現行制度では教員が免職となっても、3年たてば教員免許を再取得できる。新法は再取得を認めるのはあくまで「特例」と位置付け、教委が有識者らによる審査委員会を設けてわいせつ事案の内容や本人の更生状況などを踏まえ、交付を拒否できるようにする。
 児童生徒へのわいせつ行為については、刑事罰の対象とならない行為を含め、本人の同意の有無にかかわらず「児童生徒性暴力」と定義して禁止する。学校現場に対しては、児童生徒から相談を受け、犯罪の疑いがあるときは警察への速やかな通報を求める。
 児童生徒らに対するわいせつ行為やセクハラで処分を受けた公立小中高校などの教員は2018年度に過去最多の282人に上り、防止対策の強化が課題となっていた。
 わいせつ教員をめぐっては、文部科学省が20年度、懲戒免職処分を受けた教員が無期限で免許を再取得できないようにする法改正を検討したが、他の免許制度とのバランスを考慮し、見送っている。(2021/05/28-12:14)

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