中国の“嫌がらせ”が逆効果に。台湾への「ワクチン妨害」で深まった日本との絆

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アジア各国で感染が拡大しつつある新型コロナウイルス感染症ですが、こんな状況をも「政治利用」するのがお隣の国・中国政府です。感染拡大が急速に進み始めた台湾が、世界各国からのワクチン購入をヤクザまがいの嫌がらせで妨害する中国に、日本国内からも批判の声が出ています。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、中国による台湾への「ワクチン購入妨害」を見た日本政府が台湾へワクチンを提供すると表明したことを取り上げ、かえって日本と台湾の絆がさらに深まった「逆効果」の現状を紹介しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2021年5月29日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

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【台湾】中国からのワクチン購入妨害でさらに深まる日台の絆

モデルナワクチン第1陣 28日に到着へ 15万回分/台湾

アジア地地域でのコロナ感染拡大がとまりません。台湾は報道にある通り、5月27日の感染者数は、国内感染者と輸入症例を合わせ405人。死者数は13人。また、26日までの統計に含まれていなかった追加分として、266人の感染も発表され、これで台湾内の感染者は計6761人、死者は計59人とのことです。

マレーシアでも感染が急拡大し、人口あたりの新規感染者がインドを超えたとの報道がありました。

マレーシア、感染急拡大 人口比でインド上回る

台湾同様、コロナ優等生と言われていたシンガポールも、新規感染者が急増しています。中には、ファイザーまたはモデルナのワクチン接種を受けていた人の感染、いわゆる「ブレイクスルー感染」が確認されました。

コロナ感染「抑制に成功」のシンガポール、相次ぎクラスター発生

タイとベトナムでも、新規感染者数は増加しています。タイでは、刑務所のクラスターで6800人以上もの感染が確認されたこともありました。

● 東南アで変異型猛威…「優等生」タイ、刑務所で6800人以上感染確認

こうしたアジア地域での拡大のきっかけとなったのは、インド株といわれる新型のウイルスです。ワクチンを二回接種していれば、インド株感染に対してもかなり効果があるという報道もありますが、欧米でもアジアでもインド株が急速に猛威をふるっています。

いくら消毒しても検温しても、感染拡大抑制への大きな効果は期待できません。やはり我々がやるべきことは、やはりワクチン接種を急ぐことでしょう。

中国は、ベトナム、ラオス、ミャンマー、タイ、カンボジア、フィリピンなどのASEAN諸国に優先的に無条件で中国産ワクチンを流通させるとして、実際にそれら各国ではすでに中国製ワクチンが接種されています。

しかし、中国の押し売り的なワクチン外交に反発している国もあります。ベトナムです。ベトナムは自国でワクチンを製造し、中国のワクチンは受け入れないという姿勢を貫いています。理由としては、中国製のワクチンには信用がおけないというのと、南シナ海での領有権問題や国境紛争など、中国とは犬猿の仲となっているからでしょう。

● 「中国製ワクチンはいらない」ベトナムが見せる意地とプライド

一方、フィリピンのドゥテルテ大統領は、中国製ワクチン接種の様子をFacebookで公開しました。

● フィリピン大統領、中国製ワクチン接種

他方、以前のメルマガでも述べたように、中国が最大の貿易相手国であるブラジルでは、5月5日、ボルソナロ大統領が大統領府での演説で、新型コロナウイルスのパンデミックは、中国によって仕掛けられた「新たな戦争」だと語りました。

● 新型コロナは「新たな戦争」 ブラジル大統領、暗に中国非難

今やワクチンは外交に最も有用なアイテムとなりました。それを最大限に利用しているのが中国です。コロナが急速に拡大している台湾に対して、「中国はいつでもワクチンを融通する準備がある」などと甘言を弄しています。

これに対して、台湾はもちろんノーを突き付けています。毎日コロナ情勢を報告するために記者会見を開いている台湾の中央感染症指揮センターの陳時中指揮官は、中国製ワクチンなど「怖くて使えない」と言いました。

● 中国が台湾にワクチン寄贈意向 陳指揮官「怖くて使えない」

陳時中指揮官は、コロナ禍のなか母親を亡くしましたが、葬儀などは後回しにして、不眠不休で責務を優先してきました。その仕事ぶりは、「鉄人大臣」と呼ばれるほどです。台湾でも、彼の仕事ぶりはみな評価しており、尊敬されています。そんな「鉄人大臣」が、記者会見上で二度も涙を流しました。二回とも台湾でのコロナ拡大を憂いて、台湾のために流した涙でした。

そして、このような台湾のコロナ対策を妨害しているのが中国です。

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