文在寅の憂鬱。元検事総長の政界登場で迫る投獄と“死の気配”

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以前掲載の「大揺れ韓国。電撃辞任の韓国検事総長が文在寅に投げつけた爆弾」等の記事でもお伝えしたとおり、文政権の不正を徹底的に追求する姿勢が疎まれ、「電撃辞任」という形で検察を去った尹錫悦元検察総長。尹氏にはかねがね2022年に行われる大統領選への出馬が噂されていましたが、ここに来て動きがあったようです。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、韓国政界の現在地と今後予想される動きについて考察・報告しています。

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パク・クネ大統領を弾劾に処した「特別検事」の一員、いよいよ政治舞台登場か

今回のメインテーマは、元検察総長尹錫悦氏のことだ。パク・クネ大統領を弾劾に処した「特別検事」の一員だった尹錫悦。本メルマガでも2016年12月の#152号「チェ・スンシル(崔順実)ゲート」からはじまり、#153号の「国政壟断(ククチョン・ノンダン)」でこの崔順実が韓国の政治をパク・クネ大統領に代わってやっていた実情を書き、これに鞭をいれるべく特別検事チームが編成され(#154号)、2017年3月にパク・クネ大統領が弾劾に追い込まれた(#158号)一連の流れを報告している。

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特別検事チームの親分は朴という人だったが、この朴さんを支えるメンバーのうちの一人が尹錫悦氏だった。このときは、親分以外では、メンバーの一人でいつも奥さんの手弁当で出勤していた別の人が人気を博していて尹錫悦さんは目立った存在ではなかった(筆者の思惑)。

ところで、このときの実績をかって文在寅が尹錫悦氏を自分の味方だと思い、2019年7月25日に検察総長に任命する。(2021年3月5日まで検察総長)。ここから尹錫悦の戦いがはじまた。タマネギ男と呼ばれる法務長官チョ・グクに対する不正暴きが始まったのだった。あまりに嘘と不正に汚れ切ったチョ・グクを完膚なきまでにたたいた。当然だ。今またこいつは、自叙伝などを出してベストセラーになっているらしい。どこまで面(つら)の皮が厚いのか。想像を絶する。こいつの口からでてくるのは、嘘と方便だけなのに、なんで本が売れるんかい!理解ができない。

その後、法務長官がチュ・ミエに変わり、尹錫悦氏はここでもありとあらゆる嫌がらせを受けた。手足を縛られ、検察がなにもできないような状態にさせられたといっても過言ではない。さらにパク・ボンゲ法務長官に変わったときに、「検察として、わたしの役割はここまでです」として、尹錫悦氏は検察総長を辞めると辞表を提出することになる。このときに尹錫悦氏が言った内容は、「これまでわたしは、検察業務を遂行しながら、政治的中立を守ってきた。しかし現政権は、検察の公正な業務遂行そのものを不可能にした。(検察の枠の)外に出て、これらを正そうと考えている」。

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