TPP、加盟国拡大へ始動 英の参加協議―閣僚会合

2021.06.02
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by 時事通信


オンライン形式で開かれた閣僚級の「TPP委員会」。右は議長を務める西村康稔経済再生担当相=2日午前、東京都千代田区

オンライン形式で開かれた閣僚級の「TPP委員会」。右は議長を務める西村康稔経済再生担当相=2日午前、東京都千代田区

  • 【図解】TPPをめぐる構図

 日本やカナダ、オーストラリアなど環太平洋連携協定(TPP)加盟11カ国は2日、英国の参加について協議を始めると全会一致で決めた。TPPは2018年12月の発効後、初めて加盟国拡大へ動きだす。新型コロナウイルス感染拡大を機に保護主義的な動きが台頭しており、日本は英国の参加を後押しし自由貿易推進で発言力を強めたい考えだ。
 オンライン形式で同日開いた閣僚級の「TPP委員会」は英国の参加を協議する作業部会を設置することで合意した。議長を務めた西村康稔経済再生担当相は記者会見で、「日英の経済関係の強化、戦略的観点からも大きな意義がある」と歓迎した。
 加盟国は共同声明で「アジア太平洋地域を越えて自由貿易をさらに推進する機会になる」と評価した。英国が参加すれば、TPP全体の名目GDP(国内総生産)は10.8兆ドルから13.5兆ドルに増加。欧州連合(EU)の15兆ドルに匹敵する巨大経済圏が誕生する。
 日英間では今年1月、経済連携協定(EPA)が発効した。英のTPP参加交渉で、関税撤廃率を引き上げるなど貿易自由化度を高めるため再交渉する可能性がある。(2021/06/02-18:16)

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