米韓首脳会談からかなりの時間が経過したが、いまだに北朝鮮は何の反応も見せていない。北朝鮮情勢は余談を許さない状態だが、金正恩氏が密かに力を注いでいるのが「マクドナルド戦略」だと言う。いったいどういう戦略なのか?(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
金王朝継続の時間稼ぎ?「第一書記」新設の狙い
北朝鮮の情勢は予断を許さない。「コロナの感染者も死者もゼロ」と豪語しているが、とてもあり得ない話である。
そんな折、北朝鮮では3代目の最高指導者・金正恩委員長に次ぐポストとして、「第一書記」が新設されたという。
これまでは妹の金与正が実質的な「ナンバー2」と目されてきたが、男尊女卑のお国柄であれば、表向きは男性の「第一書記」が必要ということであろう。
しかも、最近では金与正による「兄の威を借る傍若無人な行為」が問題になっていることも影響しているのかもしれない。
いずれにせよ、金王朝の継続を意図する3代目とすれば、自分の息子を4代目に想定していることは間違いないところ。
まだ幼い息子が成長するまでは、今回「ナンバー2」に指名された最側近の趙勇元(チョ・ヨンウォン)を活用し、時間を稼ぐ考えと推察される。
金正恩氏につきまとう健康不安
何しろ、「コロナ太り」の傾向が顕著な金正恩は常に健康不安が付きまとっている。
実際、このところ4週間近く、公の場に姿を現していないため、憶測は広がる一方である(※編注:原稿執筆時点2021年6月3日。6月4日には金正恩氏が1ヶ月ぶりに公の場に姿を現し、朝鮮労働党の政治局会議の司会したとの報道が出ています)。
「コロナ禍の東京オリンピックには参加しない」と早々に宣言した北朝鮮だが、日本はもとより韓国ともアメリカとも関係は厳しいまま。
こうした事態を改善しようと北朝鮮が期待するのが、「マクドナルド戦略」である。
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