YouTubeというサービスを運営するアルファベットは一民間企業であり、自社サービスの運用規約をいくらでも好きに変えることができる。たとえば、アルファベットはリベラルを柱とした企業なので、強硬な右派思想のコンテンツは、しばしば削除されているような例もある。自社に都合の悪い人間のアカウントを勝手に削除することもできる。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。
インターネットはすでに「動画」がメインストリーム
コロナ禍によって人々はステイホームを強要された。ひと昔前なら人々が家にいたらテレビどっぷりだったはずだが、時代は変わった。人々はテレビの代わりにインターネットで「動画」を見るようになっていたのだ。
2020年10月にクロス・マーケティングは「YouTubeの利用実態に関する調査」を行って11月に結果を発表しているのだが、『大学生のTV離れが顕著、YouTubeは3時間以上視聴者が3割近くに』という結果を発表している。
※参考:YouTubeの利用実態に関する調査 – クロス・マーケティング(2021年11月9日配信)
インターネットの「動画」は凄まじく人々の中に浸透し、テレビを食い荒らしている。そして、インターネットの多くのコンテンツの中でもYouTubeの強さは飛び抜けている。
もちろん、動画を扱っているサイトはYouTubeだけではない。ネットフリックスやフールーなどの企業も爆発的に成長し、さらにディズニーのような優良コンテンツを多く保有する企業が輝きを増し、アップルやアマゾンなどの超巨大企業も動画コンテンツを拡充させている。
それぞれのニュースサイトも次々と動画主体にサイトを作り替えているし、PornHubやxVideosのようなアダルト動画サイトも圧倒的な支持を得ており、OnlyFansのような動画投稿サイトも固定ファンを抱えて成長している。
しかし、やはりインターネットの動画で圧倒的な強さを誇っているのがYouTubeであるのは間違いない。
コロナ禍によって、人々の「動画」依存が深まり、インターネットのメインストリームはすでに「動画」になっているのだが、YouTubeが世界に君臨しているような状況である。
HTMLの時代。ブログの時代。SNSの時代
インターネットが出た当初、まだ回線が非常に遅かった。画像が使えたとしても解像度の低い画像を1ページに1枚か2枚を何とかダウンロードするだけで精一杯だった。だから、インターネットで重要だったのは文章(テキスト)だった。
1990年代後半から一部の人たちが「ホームページ」を立ち上げて、自らHTMLを書いたりホームページ作成ソフトを使ったりしていた。
しかし、HTMLをわざわざ覚えて自分のサイトを立ち上げるというのは、一般の人たちには敷居が高い作業で、誰もがそこに進出できるものではなかった。こうした流れを劇的に変えたのが「ブログ」というシステムだ。
ブログは、あらかじめ用意されているフォーマットがあって、ユーザーはテキストボックスに文章を書いてボタンを押すだけでよかった。
多くのプロバイダーがブログを無料で提供したので、インターネットは玉石混交の個人ブログが百花繚乱するようになっていった。同時に回線もどんどん速くなっていき、画像も大量に付けられるようになって、企業も続々と進出して今のインターネットの光景が2000年代に形作られた。
もちろん、コンテンツの王者は文章(テキスト)である。インターネットは「読む」ものだったのだ。
わざわざ自分のサイトを立ち上げるほど熱心でない人もいたが、そういった人たちは掲示板を利用して数行のコメントを書いて双方向のコミュニケーションに関心を寄せていた。
掲示板は素晴らしいシステムだったが、匿名で場が荒れることも多かった。人々はもっと安全に心地良く利用できる空間を求めたのだが、そこに現れたのがSNS(ソーシャルネットワーキング・サービス)だった。
SNSは登録制や実名制によって安全を確保し、知り合いをつなげ、コミュニケーションをオープンなものにもクローズドなものにもすることができた。2010年代はまさにSNSの時代であったと言っても過言ではない。
フェイスブックはこの時代の波に乗って、巨大企業へと成り上がっていった。