世界初。エーザイが共同開発のアルツハイマー治療薬で見えた光明

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製薬大手のエーザイが米国企業と共同開発したアルツハイマー病の治療薬が7日、アメリカで承認されました。同薬は、アルツハイマーの根本治療における「切り札」となり得るのでしょうか。今回のメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』では著者でジャーナリストの内田誠さんが、「非常に明るいニュース」としながらも、この薬に対する評価が割れているであろうことが毎日新聞の記事から読み取れると指摘。さらに今後のアルツハイマーの治療法研究において重要と思われる記事を、東京新聞のデータベースの中からセレクトし、その内容を簡潔に解説しています。

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日本のエーザイが共同開発「アルツハイマー治療薬」米国承認の衝撃

きょうは《毎日》から。

1面にアルツハイマー薬の承認についての記事。「アデュカヌマブ」という舌を噛みそうな名前ですが、米製薬会社と日本のエーザイが共同で開発したものだそうです。

アルツハイマーの薬について、どんな記事が出てきたのか、《東京》のデータベースで「アルツハイマー」と「薬」を掛けて検索すると、38件ほどヒットしました。アルツハイマーの治療法研究上重要と思われる記事を選んで、ポイントをご紹介したいと思います。

【フォーカス・イン】

まずは1面記事の見出しと【セブンNEWS】第5項目の再掲から。

アルツハイマー薬 米承認
「アデュカヌマブ」根本治療に光

米食品医薬品局は米バイオジェンと日本のエーザイが共同開発するアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」を承認。同病の進行抑制を図る薬の承認は世界初。初期段階の患者に対し、原因物質とされるアミロイドベータを取り除き、認知症の進行抑制を狙う。

以下、記事概要の補足。米バイオジェンと日本のエーザイ両社は、「高齢化で患者が増えている日本での使用に向け薬事申請しており、審査の行方が注目される」という。アルツハイマー病は、発症の約20年前から「アミロイドベータ」と呼ばれるタンパク質の「ごみ」が脳内にたまって神経細胞が死滅し、思考や記憶の機能が損なわれるもので、世界に数千万人の患者がいるという。

これまでの薬はエーザイの「アリセプト」のように進行を遅らせるものが中心で、根本治療には手が届いていなかった。

●uttiiの眼

非常に明るいニュースだと思うが、この薬の開発については、評価が割れているのかもしれない。FDAの「承認」にも留保条件が付けられているし、専門家の捉え方も様々で、「発症抑制の働き」に重きを置いたものから、根本治療につながる期待を読み取るものまで微妙な温度差があるようだ。

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