気候変動、中国に対策要求 G7「50年ゼロ」で結束

2021.06.14
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by 時事通信


記念撮影に臨むバイデン米大統領(前列左)、菅義偉首相(後列中央)、ジョンソン英首相(前列右)ら=11日、英カービスベイ(EPA時事)

記念撮影に臨むバイデン米大統領(前列左)、菅義偉首相(後列中央)、ジョンソン英首相(前列右)ら=11日、英カービスベイ(EPA時事)

 先進7カ国首脳会議()は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標を掲げた。さらに、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が目指す産業革命前からの気温上昇を1.5度にとどめる努力目標の達成に向け、一致して取り組むことでも合意。排出量が世界最大の中国に対策強化を迫ることを意識し、先進国の結束を示した。
 日本では、昨年10月に菅義偉首相が50年ゼロ目標を表明。今年発足した米バイデン政権も同様の方針を打ち出し、G7の足並みが初めてそろった。また、気温上昇の抑制目標は、パリ協定に「2度を十分下回り、1.5度に抑える努力を追求する」と記されているが、近年、温暖化の影響とみられる災害が深刻化している状況を受け、より厳しい1.5度を目指す風潮が国際社会で強まっている。
 首脳宣言は50年ゼロや1.5度の目標に関し、「G7は特に他の主要な排出国に対し、われわれに加わることを求める」と明記。日本政府関係者によると、「他の主要な排出国」は、二酸化炭素(CO2)排出量が世界の約3割を占める中国を主に指し、対策強化を求める形となった。
 中国は30年までに排出を増加から減少に転じさせ、60年に実質ゼロとする目標を掲げる。ただ、主要先進国が30年までの半減程度と50年ゼロを目指す中、現在の中国の方針のままでは世界全体で排出量の削減が相殺されてしまう。
 首脳宣言は中国などに対し「可能な限り野心的で透明性がある形で、パリ協定の下でのコミットメントを強化する」ことも求めた。ただ、中国はこれまで温暖化問題に関し自国を途上国と位置付け、先進国並みの厳しい対策の実施を受け入れてこなかった。G7の要求にどこまで応じるかは見通せない。(2021/06/14-13:49)

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