家の中で元気に走り回る小型犬。小走りに駆け寄ってきて愛情を示す姿は飼い主の心を掴んで離しません。そんな小型犬に多く、走り回ることが難しくなってしまう「膝蓋骨脱臼」という病気があります。メルマガ『佐藤貴紀のわんにゃんアドバイス』では、著者で獣医師の佐藤先生が、この病気の原因や症状を解説。飼い主にできる予防法も伝えます。
小型犬に多い「膝蓋骨脱臼」について
小型犬に多い「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」皆さん耳にされた事があるかと思います。怪我でできる子もいますが、生まれつきの子が多いのも特徴です。では一体どういう病気なのでしょうか?
1)「膝蓋骨脱臼」とは?
膝蓋骨は大腿骨内にある「滑車溝」というくぼみにはまっています。その溝から膝蓋骨が外れた状態が「膝蓋骨脱臼」です。また、膝蓋骨が内側に外れると「内方脱臼」と言われ、外側に外れると「外方脱臼」と言われています。
「膝蓋骨脱臼」には「外傷性」と「先天性」があり、外傷性は交通事故や高いところからの飛び降りや転倒などが原因で起こります。先天性の場合は、生まれつき膝関節のまわりの筋肉や靭帯に異常があることが原因で、子犬のときから発症していることもあれば、発育にともなって発症してくることもあります。
生まれつきの子は自分で膝を出し入れする事ができる子もいます。しかし、年齢と共にそれもできなくなり、膝が外れたままで歩けなくなる場合もあるので、手術しなければならない場合もあります。
2)膝蓋骨脱臼の予防方法
先天性の膝蓋骨脱臼は防ぐことはできませんが、外傷性の場合には膝にできるだけ負担をかけない生活をするように心がければ予防ができます。
段差や階段のない道を歩くようにしたり、フローリングなどの硬く滑りやすい床にはカーペットやマットを敷くなどの工夫をしてあげる事で膝への負担を軽くすることができます。
★補足
「膝蓋骨脱臼」の症例は、外方脱臼よりも内方脱臼の方が多く見られるようです。また、メスの方が発症しやすく、発症率はオスの約1.5倍だと言われています。
愛犬の体に負担がかからないように生活環境を見直し、もし、歩き方が、膝がカクカクするように見えた場合には早めに動物病院にご相談下さい。
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