東京五輪・パラリンピックで使う予定の健康アプリの減額交渉をめぐり、「脅しておいた方がいい」などと指示していた平井卓也デジタル改革担当相。今度は自身と近い関係にあるベンチャー企業を参加させるよう求める発言をしていた疑いが出てきた。さらに、平井氏は過去にとんでもないツイートをするなど、さまざまな疑惑が浮上している。
平井大臣、脅迫に続いて親密企業と“官製談合”の疑い
平井氏は今年4月に行われた内閣官房IT総合戦略室の会議で同室幹部らに、請負先の企業を「脅しておいた方がよい」「徹底的に干す」などと、指示していたことが報じられていた。
週刊文春がその時の様子を収録した音声データを公開。そこには平井氏と懇意な関係にあるベンチャー企業を優遇するような発言が収められていた。
記事によると、平井氏が推していた企業は「ACES(エーシーズ)」という会社で、顔認証機能で優れた技術を持つという。
AI研究の第一人者として知られる東京大学工学系研究科の松尾豊教授が技術顧問として名を連ねており、この松尾教授と平井氏は同郷で親密な間柄のようだ。
平井氏は「NECではなく松尾先生に言ってACESとやれ」と話しており、担当大臣が個別の企業名を出したことで、公平性の観点から説明責任が問われる事態となりそうだ。
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自民党が目論む“SNS規制”という名の言論統制
この報道を受け、SNSでは平井氏に対して批判が殺到。
「結局、自分の利権をねじ込んでるだけ」「民間企業を脅すような大臣は罷免すべき」「平井大臣は人間性に問題ありそう」などの声があがっている。
しかし、自民党はネット上であがるこうした声に規制をかけようとしている。いわば、“自民党を批判できないよう”にしようとしているのだ。
SNS上での誹謗中傷への対策を検討している自民党の小委員会は14日、刑法の侮辱罪の罰則強化を法制審議会で速やかに検討するよう求める提言案をまとめた。NHKなどが報じた。
これは亡くなったプロレスラーの木村花さんの母親の響子さんから話を聞くなどして検討を続けていたもので、速やかに罰則の強化を法制審議会で検討するよう求めている。
誹謗中傷に適用される侮辱罪については、1000円以上1万円未満の科料などとなっており、罰則が軽すぎるとして問題となっていた。
たしかに木村花さんの死は痛ましいことで、到底許されるべきことではない。しかし、番組を放送していたテレビ局側の責任が一切問われていないのはおかしい。
母親の響子さんも今年3月に開かれた記者会見の中で、涙ながらに「フジテレビは無責任」だと語っており、SNSだけを目の敵にするのは間違っているといえる。
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こうしたことから、自民党は木村花さんをダシに言論統制しようとしているのではないかという見方も出てきた。そこには疑われても仕方がないいくつかの理由があるのだ。