「観光は不要不急?」悩むホテルマン志望の若者に助言すべきこと

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長引くコロナ禍のため、目指し憧れていた職業に疑念を生じさせ悩む若者が多くいます。周囲で見守る大人も同様に悩み、旅行や観光が「不要不急」とされるいま、ホテルマンになりたがっている甥にどのようなアドバイスをしたらいいのか、『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さんに助言を求めてきました。永江さんは、観光業だから、ホテルだから「不要不急」とは限らないと回答。まずは、その仕事に憧れ、やりがいを感じる源泉から確認し、答えに見合った導き方をすべきと伝えています。

ホテルマン志望の甥にどのようなアドバイスをすべきか

Question

shitumon

お疲れ様です。いつもTwitter無双、拝読しています。高3の甥の将来の夢はホテルマンですが「不要不急と最初に言われる業種よりも、新型コロナウイルスや震災の影響を受けないような業種にした方がいいのか?」と悩んでいるようです。

小さい頃からの夢ですので永江さんのようにデータや需要を用いて希望の持てる話をしてあげたいのですが(そして彼も面接でアイデアを言えるようになって欲しい)。

  • 高齢者&健康に気を使う人への糖質制限メニューを増やす
  • ジャングルクルーズのような名物スタッフを育成し、ツアー(観光、アウトドア、夏場は怪談や肝試しがあってもいいかも)をサービスに加える
  • 海外の方向けに習字の体験からTシャツ(浅草のお土産屋さんにありそうなもの)にしてくれるサービス。他にもお年玉(現金NGならホテル内の商品券など)など、日本の子供がしてもらう日本の習慣をサービスに入れてみる

「これだ!」という境地に辿りつきません。「諦める前にホテルのこれから、こんな考え方もあるよ」というアドバイスをいただけましたら幸いです。宜しくお願い申し上げます。

永江さんからの回答

まず、甥っ子さんがどうしてホテルマンになりたいのか、何にやりがいを感じるのかをよく考えてもらうことが先だと思います。

まずホテルだから「不要不急」と括ってしまうのが間違いで、ホテルだって必死に仕事して休暇のリラックスやレジャーを求めている利用者や、かけがえのない家族の思い出になるような滞在をしたい人にとって断じて不要なものではありません。役所でダラダラと公務したり、立法もしないのに国会に通っている議員よりよっぽど必要です。

観光業だから不要不急→不要不急だから就職できない、なんて考えたら、民間企業ではライフラインに関連する会社にしか就職できなくなってしまいます。実際、星野リゾートは今でも満室が続いています。確たる価値を提供しているホテルをユーザーは不要と思っていないんです。

また、ホテルの企画や旅行体験のアイデアですが、甥っ子さんがやりたいのが現場のホテルマンだとしたら、ぶっちゃけそれほど求められていないし面接でも重視されないと思います。ホテルマンに求められるのは目の前のお客さんを接客してサービスに満足してもらうことで、事業やサービス企画をするのは現場ではなく経営や企画です。もし企画をやりたいなら、ホテル専門のコンサル会社や旅行代理店、ホテルでも経営企画の部署に進む方が現実的で、それなら良い大学に行った方が近道になります。

甥っ子さんと話すなら、甥っ子さんがホテルマンになりたいのは目の前の人に喜んでもらいたいのか、自分が企画した旅行体験を楽しんでもらえるのが嬉しいと思えそうなのか、何が自身のやりがいになるのか一緒に考える方が、将来の進路選択のためになるはず。
仮に目の前の顧客の満足を高めたいホスピタリシティ思考→現業のホテルマン
自分の考えた企画で集客したい企画思考→企画職、旅行代理店、ホテル経営コンサル会社

以前、若者が進路選択を考えるにあたって考えるべきことをブログに書いたので参考までにご一読ください。
自分に向いてる仕事を探すシミュレーション的思考について – More Access! More Fun

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