経団連前会長の中西宏明氏死去 リンパ腫で療養中、75歳―日立の構造改革に尽力

2021.07.01
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by 時事通信


中西宏明氏

中西宏明氏

 経団連の前会長で社長、会長を務めた中西宏明(なかにし・ひろあき)氏が6月27日午前8時8分、リンパ腫のため東京都内の病院で死去した。75歳だった。横浜市出身。
 日立が1日発表した。葬儀は近親者のみで済ませた。喪主は妻明美(あけみ)さん。後日、日立主催のお別れの会を開くが日時は未定。
 中西氏は2018年5月、第14代の経団連会長に就任。新卒学生らの就職・採用活動ルール見直しで経済界をリドするなど大きな存在感を示した。19年5月にリンパ腫のため入院。同年9月に職務に復帰したが、20年7月にリンパ腫が再発して再入院した。その後、病院で治療を受けながらオンラインで業務を続けていたが、今年4月に再々発の恐れが判明。任期途中で会長を辞任し、療養に専念していた。
 1970年東大工学部卒業後、日所に入社。専務、副社長を経て子会社トップに就いた後、リーマン・ショック後の経営立て直しのため09年に日立本体に復帰。10年に社長に就任し構造改革を断行し、日立出身者として初めて経団連会長に就いた。
 会長就任後は、経団連が長年にわたり「指針」を定めてきた大学新卒者らの就職・採用活動のルール廃止を宣言し、春の一括採用に偏ってきた新卒採用の変革に取り組んだ。
 また、デジタル技術で既存制度の変革を目指すデジタルトランスフォーメーション(DX)の社会全体での推進を提唱。新型コロナウイルス感染症が拡大する中、感染防止対策と経済再生の両立に取り組み、20年11月には持続可能な資本主義を目指し、経団連の新たな成長戦略を取りまとめた。(2021/07/01-18:54)

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