カリスマ稲盛和夫の教え。「人事を尽くして天命を待つ」の意味とは

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多くの経営者がその言を生き方の指針とし、人生の師として名を挙げる稲盛和夫氏。マッサージチェア世界シェアトップの実績を誇るファミリーイナダの創業者・稲田二千武氏も、大きな影響を受けた一人です。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』ではそんな稲田氏ご本人が、稲盛和夫氏から学んだという「哲学」について語っています。

稲盛和夫に学んだ「人事を尽くして天命を待つ」

京セラ創業者・稲盛和夫さんの経営哲学、人生哲学を学ぼうとする経営者の勉強会・盛和塾は国内外に約2万人の会員を擁していました。

盛和塾に草創期から関わっていたのがマッサージチェアで知られるファミリーイナダの会長兼社長である稲田二千武(にちむ)さんです。

稲盛さんと40年近い交流を続ける中で、稲田さんは何を学んだのでしょうか。『致知』4月号の対談記事の一部をご紹介します。ご対談の相手は日本経営ホールディングス名誉会長の小池由久さんです。


小池 「稲田先輩がこれまでの経営のご苦労の中で、稲盛塾長の教えをどのように生かしてこられたのかというお話もぜひお聞かせください」

稲田 「塾長から教えられた哲学をひと言に集約すると『人事を尽くして天命を待つ』。これ以外にはないと思っています。

ここでいう『人事を尽くす』とはただの努力ではないんですね。前提となるのは『動機善なりや、私心なかりしか』、つまり自分自身の生き方が美しいかどうか、利他の思いで生きているかどうかですよ。そうやって人事を尽くしていさえすれば、あとは自然によくなるから、無駄に悩むことをしなさんな、という意味に私は捉えているんです。

実際、経営者はそのように開き直らなくては前に進むことができません。今般のコロナ禍でもそうですが、経営をやっていると全く予想もしない事態に直面します。そういう時でも、その苦労に感謝して人事を尽くすところに道が必ず見えてくる。

私自身、それを強く信じているからこそ、あまり悩むこともなく安心して経営ができると思っています」

小池 「稲田さんが事業の多面展開をやめてマッサージチェアに事業を特化されたのも、そういう利他の教えが背景にあってのことでしたね」

稲田 「ええ。私が43歳で入塾した時、私共の事業におけるマッサージチェアの割合は2、3割で、この他にプロポーションアカデミー、エステ、ウエイトトレーニングジムなど手広くやっていました。合わせて100億円ほどの売り上げがありました。

ところが、稲盛哲学に触れて『おまえは何のために生まれて、人のため世の中のためにどのような働きをしようとしているのか』と自問自答した時、このまま事業を拡大していくよりは人間として何を残せるかが重要だという思いが込み上げてきました。

マッサージチェアの下請けから歩んできた半生を振り返りながら、『このマッサージチェアこそが日本が生んだ唯一の文化的な健康製品だ。それを広げるのは自分にしかできない』と。それで他の事業は譲渡し、マッサージチェアに特化する決断をしました。それで正解だったと思っています」


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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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