フィデアと東北銀、統合へ 来年１０月、６県全域に営業網
経営統合を発表し握手するフィデアホールディングス（ＨＤ）の田尾祐一社長（中央）と、東北銀行の村上尚登頭取（右）。左は北都銀行の伊藤新頭取＝２日午後、仙台市青葉区
フィデアホールディングス（ＨＤ、仙台市）と東北銀行（盛岡市）は２日、経営統合に向けて基本合意したと発表した。統合は来年１０月１日の予定で、フィデアが東北銀を完全子会社とする。フィデアは傘下に荘内銀行（山形県鶴岡市）と北都銀行（秋田市）があり、統合により営業網は東北６県全域に拡大。収益力の強化とともに、本部機能の一本化などでコスト削減も進める。
地方銀行を取り巻く環境は、低金利や人口減少に加え、新型コロナウイルス禍の長期化で厳しさを増している。フィデアと東北銀は２０１８年２月に包括業務提携を締結したが、経営効率化のために一段の連携強化が不可欠と判断した。北都銀と東北銀は、それぞれ１００億円の公的資金を受け入れており、返済に向けた財務の改善も課題となっていた。
フィデアＨＤの田尾祐一社長は２日、盛岡市と仙台市でそれぞれ記者会見し、「地域経済の復興や持続的な発展に貢献するため、筋肉質な経営体質や強固な資本基盤を早期に実現する」と強調。公的資金の返済に関しては「なるべく早い時期にしっかり返していきたいという思いはある」と述べた。
東北銀の村上尚登頭取は「東北全域をカバーする金融グループとなり、３行の強みやノウハウの共有で経営基盤強化が見込める」と語った。一方、田尾氏は合併について「今のところ全く考えていない」と述べ、地域の顧客との信頼関係維持へ３行体制を続ける考えを示した。（2021/07/02-20:03）
