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ユニクロ「人道犯罪」で仏検察が捜査。ウイグル問題めぐり世界中で逆風、国内では阪神ファンから叩かれる事態に

中国の新疆ウイグル自治区における強制労働問題を巡り、当地の新疆綿を用いた製品を扱うユニクロにも批判が集まるなか、フランス検察筋は7月1日、ユニクロら4社を「人道に対する罪」の隠蔽容疑で捜査を開始したと報じられた。

記事によると、操作の対象となっているのはユニクロのほか、「ZARA」などを展開するスペイン企業のインディテックス、フランスのアパレルブランドグループのSMCP、アメリカのスポーツ靴ブランドであるスケッチャーズの4社。告発を行ったパリの人道団体「シェルパ」によると、4社はウイグル自治区産の新疆綿を下請けを通じて製品に使用し、自治区で人道に対する罪が行われていることを知りながら、労働力を利用したとされる。

ウイグル自治区をめぐっては、今回の4社を含む日米欧や中国の約80社について、強制労働を行っている疑惑工場と取引しているとの指摘もあり、今後捜査の対象がより広がる可能性もありそうだ。

「ノーコメント」戦法、海外では通用せず?

新疆綿を用いたユニクロ製品の扱いに関しては、今年1月にアメリカの関税当局が同社製シャツの輸入を、ロサンゼルス港にて差し止めていたという報道が、先日あったばかり。日本においてはさほど話題になっていない感もあるものの、海外においてはユニクロに対する風当たりは強まる一方といった印象だ。

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国内においてもウイグルの問題が取沙汰されるようになった今年4月ごろ。日本国内でもグンゼやミズノなどといった企業が、新疆綿の自社製品への使用を中止するなどの具体的な対応を取った。しかしファーストリテイリングを率いる柳井正会長兼社長は、自社の決算会見において「政治的には中立な立場でやっていきたい」「ノーコメントとさせていただきたい」と、ウイグル問題が政治的なものであると発言し、会社としても新疆綿の使用を続行させた。

柳井氏の発言は、あくまでも日本国内からの批判の声をやり過ごすためのものといった見方もできるが、海外におけるユニクロへの厳しい視線という意味では、この姿勢が結果的に裏目に出たのではという指摘も。ネット上では「ノーコメントは通用しない時代」「世界を甘く見ている」など、柳井氏の拙い対応を批判する声が多くあがっている状況だ。

ユニクロ「ウイグル問題」に阪神タイガースも反応?

このように世界各国で広がりを見せるユニクロ批判の輪だが、いっぽうで日本国内では、なぜかプロ野球の阪神タイガースファンの間から「ユニクロ許すまじ」といった声があがっているというのだ。

先日ユニクロから発売された、アイロンシール付きの「エアリズムマスク」。従来から販売されているエアリズムマスクに、プロ野球チームのロゴやマスコットのイラストが描かれたアイロンシールが付いた企画商品なのだが、他のセリーグ5球団が名を連ねるなか、どういうわけか阪神タイガースバージョンは発売されていないというのだ。

このことに対し、熱狂的な阪神ファンからは「喧嘩売っとる」「カープさえあるのに…」といった怒りの声が多くあがる事態となっている。

とはいえ、どうして阪神だけがこのようにハブられる事態になったのかは、大いに疑問が残るところ。阪神といえばもともと人気の球団で、特に今年は投打がかみ合い開幕から首位をひた走っており、ファンも大いに勢い付いている。それだけに、ユニクロ側から阪神とのコラボを断るといった理由は、まったくもって見当たらない。

となると、阪神サイドの都合かということになるが、そんななか浮上しているのが、ユニクロが抱える「ウイグル問題」を阪神球団が懸念、あるいは抗議をしたのではという説だ。

ネット上の阪神ファンからは「阪神カッコええわ!」「阪神は球団もファンも人権問題に関心が高い」などの声があがるなど、人権意識が高い阪神球団にファンも鼻が高いといった反応。もちろん関西の球団なだけあって、ユニクロ側とロイヤリティやらの話で揉めて、折り合いがつかなかったのではという、いたって現実的な推測もあがっているのだが、今のところその真相は明らかになっていない。

海外における風当たりが強まるなか、ユニクロとしてはせめて日本国内だけでも以前からの好イメージをキープしたかったところだが、ここに来てある意味で一番厄介な人たちを敵に回してしまった、そんな状況である。

Next: 「『さすが阪神、ほかの5球団はゴミ』とか言いそう」

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