医学博士に聞く「酒飲みはコロナワクチンが効きにくい」の真偽は?

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現在、ネット上などで交錯に近い状況で流通している、新形コロナワクチンに関する様々な情報。そんな中、米国在住の医学博士・しんコロさんの元に、「お酒を飲む人はワクチンが効きにくい」という記事を目にしたという読者から、その真偽を問うメッセージが届きました。しんコロさんはメルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』で今回、その質問に答えるとともに、しっかりと中和抗体をつけるためワクチン接種前後に心がけるべきことを記しています

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酒飲みはコロナワクチンが効きにくいって本当?

Question

shitumon

お酒をよく飲む人はコロナワクチンの効果が出にくいという記事をみかけましたが、「よく飲む」とはどの程度か、どのような仕組みで効果が出にくいのか、また、女性や抗アレルギー薬を服用している人は中和抗体が増えやすいのはなぜか、そのような論文をご存知でしたら、科学者としての知見やご意見を含めて教えていただけたらと思います。

しんコロさんからの回答

ファイザーのワクチンを接種した1,774名の抗体価を調べたという千葉大医学部が実施した調査ですね。その結果「免疫抑制薬の内服あり」「年齢が高い」「副腎皮質ステロイド薬の内服あり」「飲酒の頻度が高い」といった因子では抗体価が上がりにくく、一方で「COVID-19の感染歴がある」「女性」「1回目と2回目の接種間隔が長い」「抗アレルギー薬の内服あり」といった因子では抗体価が上がりやすい傾向があったそうです。

調査は医学的な研究というよりも相関を統計的に見た調査なので、実際に「お酒を飲むとコロナウイルスに対する抗体ができにくい」ということが医学的に証明されたわけではありません。一方で、アルコールの摂取量が多いと抗体産生する細胞に司令を送る「濾胞ヘルパーT細胞」の機能が変化することは知られており、免疫寛容が起きるという研究内容もあります。従って、確かにお酒は抗体産生に影響を及ぼす可能性はあります。一方で、千葉大の調査では1,774名のうち、ワクチン接種後にコロナ抗体が検出されなかった人はわずか1名なので、ワクチンは年齢や体質や飲酒などの因子に関わらず、抗体産生を促すのに効果的だったのは間違いありません。従って、「ワクチン接種するのでちょっとお酒控えよう」と思うのは正しいですが、「私はお酒が好きなのでワクチン接種しても意味がないかも」と思うのは間違いです。

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