サッカー仏代表が差別発言 訪日中の動画流出で謝罪

2021.07.06
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by 時事通信


サッカーのフランス代表として知られるデンベレ選手=2020年12月、バルセロナ(EPA時事)

サッカーのフランス代表として知られるデンベレ選手=2020年12月、バルセロナ(EPA時事)

  • サッカーのフランス代表として知られるグリーズマン選手=6月27日、ブカレスト(EPA時事)

 【パリ時事】サッカーのフランス代表として知られるデンベレ選手が、過去に日本を訪れた際に人種差別とも取られる発言をする様子が収められた動画がインターネット上に流出し、物議を醸している。デンベレ選手は5日、声明を出し「動画内の人物を傷つけた可能性があり、心からおわびする」と謝罪した。
 仏メディアによれば、動画は2019年夏、デンベレ選手が所属するバルセロナの日本ツアー中に撮影されたとみられる。デンベレ選手が宿泊先のホテルで、複数の日本人従業員の顔をズームアップで撮影しながら「醜い顔だ」「何て言語だ」などとからかう声が入っている。同じく仏代表でバルセロナ所属のグリーズマン選手が、デンベレ選手の発言に対して笑う様子も映っている。
 デンベレ選手は5日、インスタグラムに声明文を投稿し、問題の発言について「いかなるコミュニティーも標的にしたものではない。こうした表現はその人の出身にかかわらず、友達同士の会話で使うことがある」と述べ、日本人に対する人種差別発言ではないと弁明した。
 グリーズマン選手も5日、ツイッターに「私は常に、あらゆる形態の差別に反対してきた。数日前から一部の人々が、私を本来の姿ではない人間に仕立て上げようとしている」と反発。「私に対する、あらゆる非難に強く反論し、もし日本の友人の感情を害することがあったのなら申し訳なく思う」と書き込んだ。
 仏メディアは、動画内での両選手の言動が「日本人だけでなくアジア人に対する人種差別だと見なされている」と報じている。人種差別の撲滅を活動の柱とするフランスの中国青年協会はツイッターで問題の動画を引用し「何という未熟さと敬意の欠如だ」と非難。騒動を受けた両選手の声明についても「謝罪の言葉としては貧相だ」と怒りをあらわにした。
 フランスでは、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた昨年2月、パリの日本料理店が「出て行けコロナウイルス」と落書きされる事件が発生。アジア人に対する差別発言の報告も相次いだ。(2021/07/06-09:42)

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