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日経平均一時481円安、景気回復の鈍化懸念。下がると買っちゃう楽観的な米国市場に追従できるか?

6日発表のISM非製造業景況感指数から、株式市場は「予想外に景気にブレーキがかかっている」と判断。NYダウは一時400ドル超安の急落を見せるも引けにかけて下げ幅を縮小、208ドル安で終えています。この複雑な動きの背景と、日本株への影響を解説します。きょう7日の日経平均株価は一時481円安の場面がありました。ここからどう展開するでしょうか。(『新天地の株式投資日記』)

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プロフィール:新天地
祖父の影響で子供の頃から株の売買を行う。株の取引を仕事にすべく証券会社に就職し、歩合ディーラーを経て現在はデイトレーダー。いち早く相場の流れを読み切ることと、空売りが得意技。

米国市場はやや複雑な動き

NYダウ:3万4,577ドル −208(−0.60%)
NASDAQ:1万4,663 +24(+0.17%)

6日のアメリカ株式市場はやや複雑な動き。景気指標の悪化と原油価格の急落を受けてダウは一時400ドル、1.2%を超える下げとなった一方、景気指標の悪化で同じく下げていたナスダックは長期金利の大幅低下を好感して切り返し小幅ながら上昇して高値を更新して引けた。SP500も0.2%安と下げ幅を大きく縮小して引けている。

アメリカ国債10年利回り 日足(SBI証券提供)

アメリカ国債10年利回り 日足(SBI証券提供)

1.44%あたりにあった「レンジの下限」を下抜けて引けてます

アメリカ国債5年利回り 日足(SBI証券提供)

アメリカ国債5年利回り 日足(SBI証券提供)

インフレ懸念後退、景気悪化懸念で「テーパリングと金利上昇が遠のいた」ということで短期中期金利も下落。ただ長期金利の方がやや大きく下落する「ブルフラットニング」です。金利差縮小で銀行株には向かい風、グロースには追い風になります

NYダウ 日足(SBI証券提供)

NYダウ 日足(SBI証券提供)

ダウは週末わずかに市場最高値更新して引けたものの今日はその上げを帳消しにする下げとなりました

NASDAQ 日足(SBI証券提供)

NASDAQ 日足(SBI証券提供)

NYダウ 日中足(SBI証券提供)

NYダウ 日中足(SBI証券提供)

NASDAQ 日中足(SBI証券提供)

NASDAQ 日中足(SBI証券提供)

日中足を見ると「景気の伸び鈍化」を嫌って売られたものの、「長期金利低下をプラスに解釈」して買いなおされたのがわかります。長期金利低下のメリットを受けやすいグロース株が多いナスダックがプラスに転じたのに対し、景気敏感株の比率が比較的高いダウはマイナス圏に沈んだと言うわけ。

なおナスダックは高値を更新したものの「寄引同値」に近い「星」。最高値圏で窓を開けて出ててちょっと気持ち悪い足になります。素直に高値更新!と手を叩いては喜べない(オブラートに包んだ表現)。

6月ISM非製造業景況指数、予想以上に景気鈍化

6日の米国株式市場の動きについて、順に追っていこう。

まず、寄り付き前発表の6月のISM「非製造業景況指数」が予想より活動鈍化を示す60.1とでた。前月は市場最高の64(なお50が景気不景気の分かれ目です)、今月も事前予想の中央値は63.5と高い数字が出るものと予測されていた。このため市場では「予想外に景気にブレーキがかかっている」と判断された。

なぜこうなった(景気回復の鈍化)かの解釈だが、雇用の指数が縮小に転じている(前月55.3が6月は49.3へ)ことから「雇用と求職のミスマッチでうまく人材が確保できていない」ことが鈍化要因の1つ。さらに資材不足や物流の回復がまだまだなこと、 要するにサプライチェーンの制約が景気拡大の足枷になっていることを如実に示したと見られる。

Next: ダウ一時400ドル安の元凶は?下がると買っちゃう米国人気質も発動

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