梅雨末期からの夏特有の蒸し暑さで、体がだるい。生き物としては、暑すぎるなら動かなければいいという反応ですが、人間はそんなときでも働くことが求められる悲しい動物です。メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』著者で鍼灸師ののぶ先生は、だるさを生む体の仕組みとしての「冷え」について解説。発汗、呼吸、利尿による体温調節の方法を伝えています。
蒸し暑くても冷える
【気温が上がればカラダは冷める】
よく患者さんから「湿気が多いから水分摂らない」っていう話を聞きます。大気中の湿気を体が吸収するというイメージを持っておられるのかも。
でも、生きている人体は外気の影響をそのまま受け入れているわけじゃない。外気の影響に反応するのが生きているということ。だから湿度が高いと体は除湿しようとして、体内を乾かそうとするので意外と脱水しやすい。蒸し暑ければ体内の熱を冷まそうと、わざわざ体温を下げるというわけです。そんな体温下げ過ぎで、カラダはだるくなるのだけど。
【冷えるとは機能低下ということ】
体内の熱を下げようとすると、内臓機能や循環器の働きを下げるのが効果的。体内の発熱機能レベルを下げれば、体温は下がるというわけです。都合が悪いのは内臓機能が下がれば疲労感や下痢症状などがおこりやすい。循環器の働きが下がればむくみやだるさ、めまいやふらつきをおこしやすい。
生き物としての人体は、暑ければ動かなければいいじゃん、という具合にこんな身動きできないような体調をわざわざ引き起こすわけです。ただ、社会人としての人体としては、こんな不具合や不調は都合が悪い。だから社会生活を行うためにも効果的な蒸し暑さ対策が必要というわけです。
【蒸し暑くなる前に冷ます】
体内の熱を下げ過ぎないようにする工夫はいたって単純。暑がらなければよい、というわけです。徐々に湿度とともに上がる気温。こんな息苦しい中、多少の苦しさを伴うカラダは何とか環境に振り回されないように体調をコントロールしようとします。
手っ取り早くは発汗。そして深い呼吸ですね。よく眠ることができれば利尿することで朝から体温調整と疲労回復がかないます。
- 発汗
- 吐息
- 利尿
体はこの3つで常に体温調整を図ります。気だるい梅雨ですが、軽く体を動かすことで深い呼吸と程よい発汗をかなえられます。
また、ジッと過ごす時間が長いなら、カーディガンを羽織って肩や背中を程よく保温。そしてひざ掛けなどをして下半身を冷えから守るようにします。体温が下がりきらない工夫をしておけば腎機能が十分働ける。疲労回復とむくみ対策を伴える体温調整の利尿がかないます。
こうした体内の水分を熱とともに排泄する行為は脱水を伴います。そんなわけで、湿気っぽい蒸し暑い日ほど水分補給はしっかりと。ノンカフェインでミネラル分を含む飲み物や、野菜や果物はお昼間過ごす中で頻繁にとっておきたいですね。
暑さを感じれば体は冷まそうとする。冷めすぎて起きる体調不良を予防するには暑がらない工夫が大事。ぼちぼちエアコンも効き始めるころ。そんな文明の利器も上手に使い分けてもいきたいですね。お大事に。
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