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ワクチン不足を2か月も隠蔽した菅政権の罪。足りぬなら抗ウイルス薬の承認を急げ=斎藤満

政府は十分なワクチン在庫があると説明していましたが、現場での混乱が数多く報じられています。予定していたワクチンが確保できず、職域接種の新規予約は停止。ついにはすでに予約していた接種分のキャンセルまで余儀なくされました。これが日本株売りにもつながっています。『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2021年7月12日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

次々と予約が止まるワクチン接種

職域、大学などでのワクチン接種の予約が止まったままですが、すでに接種の予約をしていた分のキャンセルを求められる事態も報じられています。

6,000万回分を確保したはずのモデルナ社製のワクチンが、1,300万回分余りしかないと言います。これを使って行われる予定だった大規模接種や職域接種の予約が止まってしまいました。さらに、ファィザー社製のワクチンも足りないと言います。

これらの不足は2か月も前から分かっていながら、政府も担当大臣も黙っていたと報じられています。

ワクチン接種の進展を考えて、株を買い上げていた投資家は、はしごを外されたようなもの。このところの日本株の下げ基調の背後には、このワクチン政策の杜撰さがあると言われます。

厳しい政権批判のもと、支持率の回復には何としてもワクチン接種と東京五輪開催でムードを盛り上げたかった菅政権にとっても、大きな誤算となっています。

このワクチン不足対応を速やかにとらないと、政権維持がいよいよ困難になります。政府は総力を挙げ、ワクチンの買い上げ、確保を進める必要があります。

予約者分の確保で混乱回避

まずは、現場の混乱を回避する必要があります。

菅政権は7月中に少なくとも高齢者向けの接種完了にめどが立ったと言いますが、東京や神奈川などでは一部の自治体で8月までかかる状況にあります。

ここからさらに遅れるようなら、総理発言の信頼性が問われます。

また1回目の接種を済ませながら、2回目が打てずに宙に浮く事態も不安を煽ります。同じ種類のワクチンが打てるのか、2回目の接種までの間隔があまり延びてしまうと、抗体形成の効果に影響はないのか、不安を持たれます。

部分的ではあれ、ワクチン不足による混乱を回避する善後策を早急に用意する必要があります。

Next: 「日の丸ワクチン」承認はまだか?後手後手に回るコロナ対策

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