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GDP年率換算16%増?内閣府が発表した今年10月からの成長見込みがバカバカしすぎる件=今市太郎

内閣府が発表した21年度の経済見通しによると、ワクチン接種で消費が急回復し、今年度の第3四半期に前期比で4%以上の成長を遂げるとしています。この数字、年率換算にすれば16%という驚くべき数字であり、もはや妄想としか思えない楽観的な経済見通しとなっています。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2021年7月14日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

今年中に消費回復?内閣府の甘すぎる見通し

7月6日、コロナ変異株感染拡大と東京五輪「無観客」開催についてすったもんだしていた内閣府は、経済財政諮問会議で2021年度・22年度の経済見通しを提出しました。

それによりますと、ここから新型コロナのワクチン接種が急激に進むことから、消費が急激に持ち直すとしています。

そして、当初コロナ以前のレベルに戻るのは22年3月と見込んでいたものを、なんと3か月も前倒しで回復すると予測。

結果として、21年度の実質GDP成長率をプラス3.7%と試算しています。

数字だけ眺めてみますと、はぁ、今年中に回復するのですか?といった印象しかありませんが、実はこの数字、眉唾もいいところです。

足元では、年初から緊急事態宣言を出しっぱなしの状態です。だいたい1回の宣言で、5兆円から6兆円程度はGDPが縮減すると言われています。

その中で、今年度の第3四半期に前期比で4%以上の成長を遂げるというのは、年率換算にすれば16%という驚くべき数字を実現することになるのですから、これは俄かには信用できないというのが率直な印象です。

頼みのワクチン接種も停滞中

安倍前政権の時代から、内閣府が出してくるGDP成長率というのはまったく信用のならないものとなっているのはご案内の通り。

それにもまして、今年10~12月に80年代のバブル期でさえなしえなかった年間ペース16%などという猛烈な経済成長を、この政権が簡単に実現するというのはあり得るのでしょうか?

ウソでも、もう少しリアリティのある数字にすべきでは?と思えてきます。

そもそもワクチン接種に関しては、菅首相だけが調子のいいことを口走るものの、現実はその通りにはなっていません。これだけをもってして、景気回復を予測するのはあまりにも稚拙です。

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